「殺処分」福島県ワースト3位 犬猫救いたい、終生飼育推進へ

 

 県内で2019年度に殺処分された犬と猫は計2153匹(犬124匹、猫2029匹)に上り、都道府県別で愛媛、大分両県に次いで多いことが、環境省の全国統計で分かった。猫に限ると大分県に次ぐ多さとなった。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などでペットへの関心が高まる中、県は寿命まで世話をする飼い主の意識向上と、殺処分の減少に向けた譲渡の増加の両立を目指す。

 ◆◇◇多い飼い主不明

 県によると、殺処分数は減少傾向にあるが、殺処分につながる保健所の引き取り件数は毎年3000匹前後で推移。19年度も猫の引き取り件数は2585匹で、飼い主不明の子猫が大部分を占めた。乳離れする前の子猫が譲渡できる状態に育つまで保健所で世話をするのは難しく、殺処分せざるを得ないのが実情という。県は猫の室内飼育を推奨しているが、放し飼いが定着しており不妊去勢手術をしていない放し飼いの猫が繁殖を繰り返すことで飼い主不明の子猫が増加している。

 また、昨年度はペットの猫が繁殖を繰り返して飼いきれなくなる「多頭飼育崩壊」が県内で複数確認されるなど、新たな問題も浮上。不妊去勢手術など適切な対処方法が分からないまま飼い始め、管理しきれなくなるケースが目立つといい、一度に100匹以上の猫を保護したケースもあった。

 ◇◆◇譲渡率年々上昇

 一方、19年度に保健所に引き取られた猫の19.3%に当たる500匹は新しい飼い主に譲渡された。県によると、ペットブームや保護犬・保護猫の認知度向上を背景に譲渡率は年々上昇しているという。

 昨年度は新型コロナの感染拡大を受け、県は三春町の県動物愛護センターなどを会場にした譲渡会を中止。ホームページ上に譲渡可能な犬猫の情報を公開して個別に面会する方式に切り替えたが、掲載後すぐに申し込みが入る状況が続き、ペットへの関心の高さをうかがわせる形となった。

 ◇◇◆講習を義務付け

 こうした中、県は昨秋から、譲渡を希望する人に飼育にかかる経済的負担や不妊去勢手術の大切さなどを説明する講習の受講を義務付けた。「終生飼育」の意思を確認する機会も設けるなど、ペットを飼う上で飼い主の意識向上を図る取り組みを進めている。

 さらに6月以降、県動物愛護センターで実施する犬猫の譲渡について、安易な引き取りを防ぐため1匹当たり4千円の手数料を課すことを決めた。手数料を基に新たに猫エイズや白血病ウイルス、犬のフィラリアの抗体検査を行い、より良い譲渡を目指している。

 放し飼いや飼い主不明の猫による排せつ物や鳴き声などは、地域のトラブルの要因の一つにもなっており、県は適切な室内飼育を広めることで殺処分の減少につなげ、トラブル防止を図る考えだ。県は「単に『かわいいから』など安易な気持ちで飼うのではなく、最後まで飼えるかどうか冷静になって考えてほしい」(食品生活衛生課)としている。