東京電力、双葉郡6町村に謝罪 社長訪問、首長が不祥事に苦言

 

 東京電力の小早川智明社長は5日、双葉郡6町村の役場を訪問し、福島第1原発3号機の地震計の故障を放置していた問題などについて謝罪した。各首長は「怒りを覚える」などと苦言を呈し、強く社内体質の改善を求めた。しかし、小早川社長は訪問後の取材で「(原発に関し)どこに住民の関心や不安があるのかを分かっていればもう少し早く情報を提供できた」などと述べるなど、問題の根本にある安全対策の軽視や隠蔽(いんぺい)とも取れる情報公開の在り方への当事者性を欠いた反応を示した。

 謝罪に訪れたのは、いわき市の双葉町いわき事務所のほか、大熊、富岡、楢葉、広野、川内の各町村。福島第1原発が立地する双葉町の伊沢史朗町長は「責任ある立場の人が社内体質や情報の風通しの改善に対応していないのではないか」と、小早川社長らの姿勢を厳しく批判。大熊町の吉田淳町長は「大変な不安と失望を覚えている。廃炉に水を差す重大案件だ。猛省を求めたい」と語気を強めた。

 原発事故に伴う帰還困難区域を抱える富岡町の宮本皓一町長は「意識的に(情報公開を)遅らせたのではないかと疑わざるを得ない」と指摘した。楢葉町の松本幸英町長は「住民の帰還や移住・定住の取り組みに影響する。社員一人一人の意識改革を」と求めた。

 地震計の故障を巡っては、東電は3号機原子炉建屋内に昨年設置した2基が故障していたにもかかわらず、修理などの対応を取らずに放置。2月の本県沖を震源とした最大震度6強の地震のデータを記録できなかったほか、同月下旬に原子力規制委員会が開いた会合で発覚するまで故障の事実を公表していなかった。