「風評は間違いなく再燃する」 処理水海洋放出、浜通り首長の声

 

 東京電力福島第1原発の処理水を巡り、7日に菅義偉首相が漁業者団体トップに海洋放出方針の決定への理解を求めたことを受け、浜通りの首長からは、海洋放出について「慎重に判断すべきだ」との声や、風評被害対策を早急に明示するよう求める意見が上がった。

 「漁業者はこの10年、本格操業を目指して我慢と苦労を重ね前に進んできた。海洋放出の決断については慎重に判断すべきだ」。県内漁業者が本格操業移行に向けて動きだす中、新地町の大堀武町長はこうくぎを刺した。いわき市の清水敏男市長も「関係者に丁寧に説明し、慎重に対応してほしい」と求めた。

 相馬市の立谷秀清市長は「漁業者をはじめ関係者の理解と納得を得るよう、丁寧かつ適切に対応してほしい」と要望。南相馬市の門馬和夫市長は、全漁連が海洋放出への反対意見を改めて示したことを踏まえ「意見を重く受け止め、関係者から十分な理解を得た上で決定するよう求める」とした。広野町の遠藤智町長も「国民の合意形成を図り判断すべきだ」とした。

 風評対策の明示を求める声も上がった。川内村の遠藤雄幸村長は「海洋放出が確実な方法とされているが、風評被害は間違いなく再燃する」として「補償などの対策を明示すべきだ」と指摘。楢葉町の松本幸英町長は「これ以上の風評被害を生じさせないよう、徹底的な取り組みを求める」と強調した。富岡町の宮本皓一町長はこれまで風評対策などを求めてきたとして「方針決定に向けた国の動きを見定めたい」とした。

 一方、葛尾村の篠木弘村長は「処理水の処分は廃炉に向けて避けて通れない問題だ」とした上で「関係機関の意見を尊重した上で対応を判断してほしい」と要望。大熊町の吉田淳町長は「徹底した安全確保が大事であることはもちろん、丁寧な説明や情報発信で国民の理解につなげる努力が大切だ」と述べた。双葉町の伊沢史朗町長は「処理水の対応方針については、これまでも述べている通り、国に早期に決めてもらいたい」とした。