福島第1原発処理水、海洋放出へ 政府方針、風評対策など強化

 

 東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後の処理水の処分に関し、政府が海洋放出の方針を固めたことが分かった。13日にも関係閣僚会議を開いて正式決定する。関係者が9日明らかにした。

 処理水の処分方針決定後、実際に海洋放出が行われるまで、政府や東京電力は2年程度かかるとしている。原子力規制委員会による認可や準備工事などが必要なためだ。全漁連の岸宏会長は「断固反対」との立場を崩しておらず、政府は海洋放出に向けた準備期間も県民をはじめ国民、国際社会の理解醸成に向けた取り組みを進める。

 政府の小委員会は昨年2月にまとめた報告書で、処理水を処分すれば原発事故の風評被害に上乗せされる形となり、さらに経済的な影響が出る恐れが極めて高いと指摘。周辺環境のモニタリングと食品検査を組み合わせた分析体制を構築することなど、情報発信も併せて対策を強化、拡充すべきだと要請している。

 政府は風評対策を最小限にするため、本県水産業をはじめとする各種産業の販路開拓、販路拡大を支援していく方針だ。

 処理水は現在、福島第1原発のタンクに貯蔵されている。ただ、処分に必要な基準の「告示濃度」を満たしているのは約3割にとどまり、残る約7割には、トリチウム以外にも規制基準値以上の放射性物質が残っている。経済産業省は9日、風評被害防止に向けた一歩として、多核種除去設備(ALPS)で処理し基準を満たす水だけを「ALPS処理水」とすると発表。残る約7割については再浄化(2次処理)を行って「ALPS処理水」とした上で、トリチウム濃度を国の規制基準(1リットル当たり6万ベクレル)を大幅に下回る水準にまで希釈して海洋放出する計画だ。