天国の先生に...日高さんしのぶ 卒業式翌日に他界、同僚ら文集作製

 
裕志さん(右)に日高さんへの感謝の思いを込めた文集とアルバムを手渡す(左から)クームズさん、渋川さん、斉藤さん

 60歳で今年3月に亡くなった元福島東高教諭の日高郁子さんに感謝の思いを伝えようと、同僚や生徒らが文集や卒業式の様子などを収めたアルバムを作製した。日高さんは担任した生徒の卒業を見届けた翌日に亡くなった。

 同僚らは11日、南相馬市の日高さん宅を訪れ、夫で元相馬高校長の裕志さん(66)にアルバムを届けた。裕志さんはアルバムを抱き、「がんと闘い、最後の力を振り絞って卒業式をやり遂げた。わが妻ながら本当によく頑張ってくれた」と涙した。

 裕志さんらによると、日高さんは約20年前にがんを患った。その後、闘病しながら教員を続けてきた。定年退職まであと少しとなった昨年夏に再発し、抗がん剤治療を受けていた。

 だが、担任した3年7組の生徒40人らに、闘病していることを気付かれないように気丈に振る舞い続けた。日高さんは卒業式があった3月1日、朝から体調が悪く学校の壁を伝って歩くほどだったが、気力を振り絞って式に臨んだ。

 式では自ら生徒を先導したほか、クラス全員の名前を読み上げ、無事生徒を送り出した。式後、最後のホームルームは保健室で行われ、日高さんは生徒に自分ががんであることを告げた。生徒が下校した後、日高さんは吐血し、福島市の病院に運ばれたが翌日午後に他界した。

 「最後まで病と闘い続けた日高さんの教員生活を家族に伝えなくては」。今年3月まで福島東高で同僚教諭だった本宮高の渋川恭子さん(52)のほか、保原高の斉藤章子さん(52)とクームズ茂子さん(46)の3人が中心となって生徒や保護者から寄せられた写真や動画、メッセージをまとめたアルバムと文集を作製した。裕志さんは「先生方には感謝しかない。アルバムや文集を通して、知らなかった福島東高での妻の日常を知ることができた」と話した。