「常磐もの」売り込み推進 梶山経産相、地元には食の施設整備

 

 梶山弘志経済産業相は13日、大熊町役場で報道陣の取材に応じ、処理水の海洋放出の方針について「必要なものはやってきたという思いはあるが、足りないと言われれば足りないかもしれない」と述べ、関係者の十分な了解を得られない状況での政治決断だったことを認めた。その上で、放出までの2年間を使って「誠心誠意説明し、最善を尽くす」とし、関係者の理解を得ていく考えを示した。

 梶山経産相は、今回の基本方針の決定について「決断は重い責任を生じるものだと思っている」と述べ、政府として風評防止などの対策に万全を尽くす決意を語った。中でも、風評の影響が特に懸念される本県漁業について「相馬の漁協には、震災直後には別の職業に就いていた若い漁業者の方が戻ってきていると聞いた」とし、将来にわたって持続可能な漁業の環境整備に取り組むことを強調した。

 県内各漁協の市場競争力を高めるため、経産省と水産庁が連携し、仲買人の養成も含めた振興策を展開する。「常磐もの」として品質への評価が高い本県の海産物を首都圏などの大規模市場に売り込むと同時に、県外から訪れる人が現地で新鮮な食を楽しむことができる施設整備にも着手する考えを示した。

 また、この時期の決断となった理由として「30~40年という廃炉のスケジュールの中で、処理水はどういうポジションにおかれているかだ」と説明。タンク貯蔵を続ければ溶融核燃料(デブリ)の保管など今後の廃炉作業に必要なスペースを確保できなくなるとし、廃炉工程上でギリギリのタイミングだったことを説明した。

 諸外国への情報提供については「(IAEAなどの)国際機関そのものから発信していただく協力も取り付けている」と述べ、風評防止や輸出規制の解除につなげる意向を示した。