鳥獣被害防止に秋田犬 南相馬市が起用、マーキングに撃退効果

 

 南相馬市は、秋田犬を使ったイノシシやサルなどの有害鳥獣の追い払い対策に取り組む。旧避難指示区域の小高区では、住民の帰還が進んでいないこともあり、有害鳥獣による農作物被害が相次いでいる。秋田犬は狩猟犬の遺伝子を引き継いでおり、無理に戦わず、ほえて威嚇したりマーキングしたりするなどしてほかの動物を寄せ付けない性質がある。今月末には、秋田犬発祥の地とされる秋田県大館市から、子犬1頭が贈呈される予定だ。

 南相馬市によると、小高区では電気柵の設置や捕獲活動などの対策を講じてきたが、効果は十分ではなく、動物の活動範囲も広がっているという。しかし、区の中に秋田犬が飼われている地域があり、そこでは秋田犬の行動が鳥獣被害防止に役立っている事例があることが分かったという。そこで、市は大館市に協力を要請していた。

 贈られるのは生後約2カ月の雄の犬。現在、小高区で秋田犬を飼っている住民が動物行動学に詳しいことから、子犬を預け、散歩などを通じて野生動物を遠ざけることなどを計画している。成長に応じて多くの人に秋田犬の存在を知らせ、地域コミュニティーの活性化にもつなげたい考えだ。

 南相馬市の担当者は「贈呈される犬の安全性を最優先にしながら、住民の癒やしと安心感につながれば」としている。南相馬市と大館市は、子犬の贈呈と同時に防災に関する協定も締結する予定になっている。