東京電力「体制立て直し」 処理水対応方針、安全立証へ魚飼育

 

 東京電力が16日に公表した福島第1原発の処理水に関する対応方針には、相次ぐ不祥事を受けた信頼回復のほか、風評被害の最大限の抑制などが盛り込まれた。小早川智明社長は「事故の反省と教訓という原点に立ち返り、責任を持ってガバナンスを強化し体制と信頼の立て直しを図る」と決意を述べた。

 東電の方針では専門家らの協力や助言を得ながら、モニタリング(放射線監視)の客観性の確保、タンクに保管している水の漏えい防止などに取り組むとしている。放出に向けた必要な設備として、2次処理用設備や放出直前の処理水の放射性物質濃度の測定などを行う「サンプルタンク」などを挙げた。モニタリングで異常値が検出された場合に即時停止する装置の導入も想定する。

 また、放出する水の安全性の立証に向け、希釈した処理水を活用した魚の飼育試験も実施する方針。放出する水が生き物に与える変化などを観察し、風評対策につなげたい考え。風評被害が発生した場合の対応として、専門の問い合わせ窓口を整備する見通しだ。

 処理水などを保管するタンクについては、敷地利用計画を策定する中で、増設の必要性を検討するとした。気象条件や汚染水発生抑制の取り組み効果などを評価し、見極める考え。状況によっては空となったタンクの解体も検討する。現在、確認されていないというトリチウムの分離技術について「実用可能な技術が確認できた場合積極的に検証し採り入れる」としている。

 福島市で記者会見した小早川社長は「賠償の枠組みよりも、風評の抑制が先だと考えている」と強調した。19日には、大熊、楢葉、富岡、浪江の4町を訪れ、方針を説明する予定。