感染対策、投票手探り 悩む療養者対応、郡山市長選「分散に効果」

 
過去最多の投票者数となった郡山市長選の期日前投票。列ができる時間帯もあった。県内各選管は投票時のさまざまな感染症対策を検討している=12日、郡山市役所

 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、県内で行われている選挙では、各選挙管理委員会が「感染症対策」と「投票機会の確保」の両立を図るため、知恵を絞って対策を講じている。一方、衆院議員の任期満了まで半年となる中、ホテルなどで療養している感染者の投票をどうするかが、本県を含め全国的な課題になっている。

 新型コロナ感染拡大後、県内で最も大規模な選挙となった今月の郡山市長選。市選管は「投票に来た人を拒むことはできない」とし、感染や経過観察期間中であることを申告する人が来場したり、体調が悪い人が投票所に来たりした場合の対応を事前に決めていた。

 投票所では該当する人だけに入場を制限し、最小限の職員で対応。スペースが広い体育館では、体調が悪い人用として別の投票スペースをつくる方針だった。

 また、市選管は2019年に行われた県議選のデータを基に期日前投票所の混雑予想を公表するなどして有権者に"分散投票"を呼び掛けた。期日前投票者数は6日間で3万9065人となり、前回より1万126人増の過去最多。市選管の大沼伸之事務局長は「列ができた会場もあったが、密にはならなかった。ある程度分散して投票してもらえた」と分析した。

 一方、総務省は今月、感染者が療養する宿泊施設に期日前投票所や不在者投票記載所の設置を推奨する通知を各都道府県選管に出した。これに対し、全国では療養者向けに屋外の投票所を設置したりする一方、対応を見送ったケースもある。

 「(運営に関わる)従事者の感染予防もしなければならない中で、課題は多い」。県選管の担当者はそう語り、宿泊療養所となるホテルのスペースが限られていることや、屋外投票所を設ける場合の場所の確保などの課題を挙げる。今秋までに衆院選を控える中、「他県の取り組みを参考にしながら、どういう方法を取ることができるかを考えていきたい」と話す。

 郡山市選管によると、国が推奨する療養施設の投票所の設置は、プライバシー保護の課題や市内の療養施設名が公表されていないことなどから、現時点で「現実的ではない」(担当者)としている。

 20日に町長選などが告示された会津美里町。新型コロナ感染者に限らず、県の指定病院に入院する町民には不在者投票で対応する方針。一方、ホテルでの療養者の不在者投票などについて「今の仕組みでは難しい」とする。投票所では記入台を一つ置きに使用するほか、有権者に使い捨て鉛筆で投票用紙を記入してもらう。対応する職員は最小限にとどめる。町選管は「期日前投票を呼び掛けていく」としている。