【相馬福島道路・24日全線開通】観光交流 近づく「海」誘客期待

 
相馬港で水揚げされた鮮魚が並ぶ「浜の駅 松川浦」。相馬福島道路の全線開通により、県北地方からの来場者の増加が見込まれる=相馬市

 「海が遠いと感じていた人が気軽に来るきっかけになる」。東日本大震災の津波で被害を受けた相馬市尾浜地区に昨年10月オープンした相馬復興市民市場「浜の駅 松川浦」。常世田隆店長(61)は開通効果に期待を寄せる。

 店内には、相馬港に水揚げされた鮮魚が並ぶ。併設の食堂で提供している地魚の刺し身や煮付けは好評で、昼時は平日でも行列ができるほどにぎわう。1月に実施した調査では、浜の駅の利用者のうち、80%余りは市外からの来場者。福島市や伊達市のほか、宮城県白石市などからも訪れており、多くが相馬福島道路を利用したとみられる。

 所要時間大幅短縮

 福島河川国道事務所によると、福島飯坂―相馬インターチェンジ(IC)間の所要時間は、相馬福島道路の整備前は73分だったが、全線開通で37分と大幅に短縮化される見通しだ。常世田店長は「ノンストップで早く(相馬地方に)来る環境が整う」と話す。

 震災で観光産業が痛手を受けた相馬地方。関係者は全線開通を観光復興の起爆剤にしたい考えだ。南相馬観光協会(南相馬市)の比護隆之事務局長(41)は「山形方面から気軽に来られる場所としてイメージが定着してほしい」と語る。「南相馬に来たことがない人は、震災のイメージが強いかもしれない。次のステージに進む南相馬を感じてもらえるよう、山形方面へのPR活動を強化していく」と意欲的だ。

 浪江町の道の駅なみえの東山晴菜駅長(36)は「新型コロナウイルスの影響で県外から来る人は減っているが、相馬福島道路が山形方面からの誘客につながる」と声を弾ませる。

 広域観光の実現に向けた準備も着々と進む。1982(昭和57)年から相馬福島道路を含む東北中央道の早期完成を熱望してきた福島、相馬、米沢(山形県)の3商工会議所は2018年から共同で「観光ドライブマップ」を作成、毎年内容を更新して情報発信を強化している。

 米沢商議所は、相馬市産のイチゴの出張販売を企画するなど、米沢市内で相馬の知名度アップを後押しする。安部徹理事・事務局長(60)は「山形にはサクランボやブドウ、リンゴなど季節ごとの果物がある。今後、取引が増加するだろうし、誘客にもつなげたい」と意気込む。