国道289号不通区間「八十里越」26年にも全線開通 国交省見通し

 

 只見町と新潟県三条市を結ぶ国道289号で不通区間となっている「八十里越(はちじゅうりごえ)」(延長20.8キロ)が、2026年にも全線開通する見通しとなった。国が直轄権限代行で整備する新潟県境の区間(同11.8キロ)について、国土交通省は今後5年ほどで開通を目指す方針を固めた。交通の利便性が高まり、救急患者の搬送時間が短くなるほか、観光促進や交流人口の拡大に弾みがつきそうだ。

 大西英男国交副大臣が26日、只見町の渡部勇夫町長の要望に明らかにした。国が八十里越の開通見通しを示すのは初めて。福島、新潟両県もそれぞれ接続する区間で工事を進めており、5年以内に完成する。本県側の事業着手から約半世紀を経て不通区間が解消されるめどが立った。国交省が27日にも正式発表する。

 八十里越は県と国交省、新潟県が区間を分けて工事を担っている。国の施工区間では11カ所にトンネル、約10カ所に橋の建設が計画されている。県の施工区間(延長7.8キロ)ではトンネルや橋などの工事がおおむね完了。県の担当者は「引き続き用地取得や雪崩対策などを進め、できるだけ早期の開通を目指したい」としている。

 県などによると、只見町から新潟方面へ向かう場合、同町と新潟県魚沼市を結ぶ国道252号を経由するが、冬季通行止めとなる。八十里越を含む国道289号は開通すれば冬季の通行が可能で、開通により只見町から三条市までの所要時間が現在の半分程度の約80分に短縮される見込み。

 八十里越は、戊辰戦争で西軍に長岡城を奪われた長岡藩士らが会津に向かう際にたどった街道。本県側の国道289号では1973(昭和48)年度に事業が始まった。山や深い谷など険しい地形を縫って道路を造る必要があり、難工事とされる。2011年7月の新潟・福島豪雨で一部区間が被災した上、冬季は例年、積雪で作業が休止されるため、全線開通に長期間がかかっている。

 26日の要望はオンラインで行われ、渡部町長が「八十里越の一日も早い開通をお願いしたい」と求めた。橋渡し役の菅家一郎衆院議員(福島4区)から国交省で要望書を受けた大西氏は「開通がもっと早まるように取り組み、地元の期待に応えたい」と述べた。

「六十里越」4月28日再開通

 国道252号の「六十里越(ろくじゅうりごえ)雪わり街道」は除雪などを終え、28日午後4時に再開通する。融雪状況により変更となる場合もある。田子倉無料休憩所から新潟県魚沼市大白川の区間は当面、車幅2.5メートルを超える車両は通行できない。