「シイタケ原木林」再生着手 福島県と林野庁、地域ごとに計画

 

 林野庁と県は27日、本県のシイタケ原木林の再生に向けた「里山・広葉樹林再生プロジェクト」を始動させた。震災、原発事故から10年がたち、県内の多くの地域で放置されてきた原木林の整備に着手、放射性セシウム濃度の低減や生産量の回復を図る。本年度中に地域ごとの原木林の再生計画を策定する。

 県森林組合連合会や県木材協同組合連合会を交えた推進連絡会議の初会合を県庁で開いた。原木林の生育状況や放射性物質の動態、将来的な原木需要などを踏まえ、伐採体制などを盛り込んだ計画を作る。計画策定に当たっては、森林組合や生産者団体、市町村関係者らへの聞き取りや、航空レーザーによる測量などを行う。

 このほか、伐採によって放射性セシウム濃度がどの程度低減するかの調査や、伐採した木を製紙や燃料用チップなどに活用する方法も検討する。

 県によると、震災前、阿武隈高地などを中心にシイタケ原木の生産が盛んで、生産量は全国トップクラスだった。しかし、原発事故により会津や中通りの一部を除く多くの地域で、放射性セシウムが原木として利用可能な指標値(1キロ当たり50ベクレル)を上回り、生産量が激減した。

 シイタケ原木は、定期的な伐採によって直径10センチほどの太さに保つことが望ましいが、多くの地域では原発事故後、伐採が行われておらず、原木の大径化が進んでいる。このため原木林の計画的な整備、伐採への着手が急がれている。政府が3月に改定した第2期復興・創生期間の復興に向けた基本方針にも、シイタケ原木林の計画的な再生推進の必要性が明記されている。