平和への思い継承して 福島県遺族会、終戦75周年記念誌刊行

 
西山部長に記念誌を手渡す安斎会長(右)

 県遺族会は、終戦75周年記念誌「戦跡慰霊巡拝・遺骨収集 参加報告書」を刊行した。戦後75年以上が経過し戦争の記憶の継承が課題となる中、戦没者の最期の地を訪れた遺族が書いた文章などをまとめ後世に残すことにした。安斎満会長(83)は「私たちのような遺族を二度と出さないよう若い世代に継承していってほしい」と話す。

 記念誌は昨年の終戦75年に合わせて企画し、県からの支援を受けて700部制作した。2001(平成13)年から20年までの20年間に、戦没地への慰霊巡拝や遺骨収集の事業に参加した遺族103人の、戦没者に対する思いなどがつづられている。遺族会のこれまでの活動実績も記録されている。

 県遺族会の会員は今年2月時点で約6100人。最も多かった1985年の約2万4500人と比べ4分の1に減った。戦没者の子ども世代の会員の平均年齢は82歳となるなど、高齢化も進む。

 佐藤洋孝事務局長(79)は「時代が進んで会員が減っているが、若い世代に遺族会の活動を伝えることで組織の若返りを図っていきたい」と話す。A4サイズの記念誌にはカラー写真を多く掲載し、若い世代にも分かりやすいよう工夫したという。

 記念誌は、遺族会の後継者でつくる「孫の会」の全員に配布する。福島市の県遺族会館で4月29日、贈呈式が行われ、安斎会長が孫の会の西山尚利部長(56)に記念誌を手渡した。西山部長は「遺族会の思いが詰まった記念誌を通じて歴史を次の世代に継承し、平和主義を貫いていきたい」と話した。記念誌は孫の会のほか、各都道府県の遺族会や県立図書館などに寄贈する予定。