「被災体験しっかり伝える」若い語り部3人意欲 双葉の伝承館

 
語り部としてデビューする(左から)横山さん、渡辺さん、遠藤さん

 東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)の若手職員3人が8日から、館内の語り部としてデビューする。震災当時は浪江町など浜通りの小学生だった。震災と東京電力福島第1原発事故から10年が過ぎ、19~22歳となった若い語り部たちは、自らの被災体験や全町避難が続く双葉町で働く視点で「福島の今」を発信する。

 語り部としてデビューするのは、横山和佳奈さん(22)、渡辺舞乃さん(19)、遠藤美来さん(19)。

 横山さんは震災の津波で甚大な被害を受けた浪江町請戸地区出身で、海の間近に自宅があった。請戸小6年時に震災に遭い、高台に避難。8日の語り部口演では自身を含め、児童全員が無事に避難することができた震災時の経験を紙芝居で語る。また原発事故の影響で、津波に巻き込まれた最愛の祖父母の捜索ができず、遺体との対面さえかなわなかった悔しさや悲しみも伝えたいという。

 渡辺さんは南相馬市原町区出身で原町三小3年時に被災した。語り部口演では、「福島の今」を発信したいという。いわき市出身で平五小3年の時に被災した遠藤さんは、震災と原発事故の記憶や教訓を伝えるつもりだ。

 デビューを前にした2日、3人は報道陣に抱負を語った。横山さんは「子どもの目で見た震災を伝えたい」、渡辺さんは「経験を話すことで、震災を深く考えてもらうきっかけになれば」、遠藤さんは「震災を風化させず、自分のこととして考えてもらえるように伝えたい」とそれぞれ意気込んだ。

 横山さんは8日午後1時30分と午後3時、渡辺さんは同午前10時と午前11時30分、遠藤さんは15日午前10時と午前11時30分に語り部口演を行う。

 問い合わせは伝承館(電話0240・23・4404)へ。