飲食店主ら悲痛「少しでも営業を」 新型コロナ、若松で時短開始

 
時短営業への協力を呼び掛けるチラシを配る関係者(右)

 特措法に基づく飲食店などへの営業時間の短縮要請を受け、時短営業が3日夜に始まった会津若松市では、午後8時になると、飲食店が立ち並ぶ市中心部で人の姿が少なくなり、大型連休中とは思えないほど静かになった。「感染が怖くても、生活があるから休みにはできない」。限られた時間の中で営業を続けた店からも、悲痛な声が漏れた。

 市中心部の飲食店街。ある飲食店は、いつもより約2時間早くのれんをしまった。時短営業を受けて来店時間を早める予約客が多く、夕方には一時満席状態になったが、午後7時すぎには客の姿はまばらになった。「いつもより早く閉店するのは、売り上げを考えれば痛手だ」。従業員の女性はつぶやいた。

 店長の女性(39)は「大型連休は例年、県外から多くの観光客が訪れる時期。感染が怖いので本当は完全に休みにしたい」としつつ、「私にも従業員にも家庭があるので短い時間でも営業するしかない」と苦しい胸の内を明かす。

 この店の近くで居酒屋を経営する男性(47)も「感染したくないから、店を閉めたいのが本音だ」としながらも「協力金がいつ入るのか分からない。少しでも営業しないと生活していけない」とこぼす。

 時短営業で影響を受けるのは飲食店だけではない。

 同市の名倉山酒造は、地元消費が売り上げの4割を占める。しかし、市内で感染者が増え始めた1週間ほど前から注文が激減しているという。専務の松本和也さん(31)は「大型連休は注文が増える時期なのに、酒の提供が夜7時まででは誰も飲みに行かない。(時短営業が)2週間で終わらないと苦しい」と嘆いた。

 タクシー、運転代行も利用客が激減している。とまと運転代行は1週間ほど前から利用客が減っていたため、3日から完全休業とした。大型連休は例年、7台がフル稼働する「書き入れ時」。代表の本田裕康さん(68)は「飲食店が休めば代行業も苦しくなるのに、補償がないのはおかしい」と訴えた。