データで知る相馬の今、復興支援センターMIRAIが冊子発行

 
完成した冊子を手にする中谷さん。「未来を考えるきっかけにしてほしい」と話した

 相馬市の復興支援センターMIRAI(ミライ)は、冊子「相馬INDEX(インデックス)2020」を発行した。市の総人口の変動や観光客数の変化、市民への聞き取り調査結果などをグラフや図で一目で分かるようまとめた。作製に携わったミライのまちづくりコーディネーター中谷彰宏さん(66)は「相馬の今を知り、未来を考えるきっかけにしてほしい」と話している

 相馬インデックスは2018(平成30)年から作製しており、今年で3回目。市教委や相馬双葉漁協などの協力を得て、さまざまなデータを収集。震災の影響や地元経済の動向などが分かるようにしている。

 市内の松川浦にある観光旅館に関する項目では、「観光」「ビジネス」といった目的別宿泊者数のグラフを掲載。グラフによると、震災前は観光目的の宿泊者がビジネス目的よりも多かったが、11年から逆転。観光は19年に再びビジネスを上回ったが、翌年は下回った。中谷さんは20年の数値に、新型コロナウイルスの影響を指摘する。

 冊子の作製時には、見やすさにこだわった。そこには、中谷さんの技術者としての経験が生きた。兵庫県生まれで、大手タイヤメーカーに勤務、設計に従事した。震災時はベルギーで仕事をしていたが、15年の退職後、被災地の役に立ちたいと兵庫県から相馬市に引っ越した。

 今回の相馬インデックスには、市内の中学生への調査も掲載した。データは授業での活用も念頭に、ウェブ版も公開した。「今後は小中学生が課題を見つけ、それを考えるためのデータを自分たちで集める機会をつくっていきたい」と中谷さん。活動を通じて地域の将来を支える人材育成に力を注ぐ考えだ。

 冊子は非売品。データはウェブサイト(https://soma‐data.jp/)で公開している。