「ドンッ」衝撃と白煙、周辺従業員ら避難 いわき工場爆発

 
炎が噴き出す火災現場で活動する消防署員=11日午前10時5分ごろ、いわき市・堺化学工業湯本工場

 「ドンッ」と大きな音と地響きに続き、白煙が立ち上った。いわき市常磐岩ケ岡町の堺化学工業湯本工場で11日朝に起きた爆発事故。多数の消防車のサイレンが鳴り響き、周辺の工場従業員らは慌ただしく避難した。近隣住民らは、不安げな表情で消火活動を見守った。

 「一瞬、何が起きてるのか分からなかった」。爆発時に現場から約100メートルの場所にいた運転手の男性(44)は、事故当時を振り返る。男性は爆発した建屋の横で荷降ろしを始めるところだったといい、「ドンッ」という大きな音と地震のような大きな揺れ、振動を体に感じたという。

 男性の後に荷物を搬入する予定だった別の運転手の男性(49)は、現場近くの県道から爆発を目撃した。「ボンッ」という音の後、乗っていたトラックの窓のカーテンが風がないのになびいたという。この運転手の男性は「まさかこれから自分が行く工場で起きてるとは思わなかった」と動揺した様子だった。

 現場近くにある工場の会社員男性(62)は「大きな音と揺れの後、外を見たら白い煙が雲のように舞い上がっていた。45年近くここで働いているが、こんな大きな火災は初めてだ」と驚いていた。

 爆発があった工場に隣接する耐火物メーカー品川リフラクトリーズ東日本工場は事故後、約250人の従業員を避難させた。午前8時に工場を稼働させる予定だったため、当時は従業員が続々と出勤していたという。爆発後の風向きで風下となり、従業員男性(45)は「延焼を恐れて、避難の対応をした。結果的に延焼しなくて良かった」と胸をなで下ろした。

 堺化学工業によると、湯本工場では化粧品や塗料などの材料にも使われる酸化亜鉛や亜鉛の粉末などを製造。水で消火すると化学反応を起こす危険性があるため、いわき市消防本部は砂を使って対応したが、消火活動は難航した。周辺住民によると、現場周辺では爆発音が断続的に響き、油が燃えたような臭いが広がった。

 現場は、JR常磐線湯本駅の南約3キロにある工場が立ち並ぶ地域。同社は1918年創立で東証1部上場。堺市に本社がある。