福島県沖地震3カ月、修理遅れ深刻 国見の店舗、応急措置のまま

 
復旧のめどが立たない店舗兼自宅を見つめる武田紙店の武田さん=国見町

 本県沖を震源に最大震度6強を記録し、住宅などに大きな被害が出た2月の地震から13日で3カ月となる。県内被災地では自宅などの修理が十分に進まず、復旧の遅れも目立ち始めている。

 「屋根だけでも直したかった。外壁のことまでまだ考える余裕はない」。震度6強を観測した新地町の福田地区に住む森高夫さん(73)は、トタン板へのふき替え作業が続く自宅を見上げた。

 沿岸部の大戸浜地区で暮らしていたが、東日本大震災の津波で自宅が流失。8年前、内陸部の福田地区に新居を構えた。2月の地震では屋根瓦が大きく破損し、外壁などにもひびが入った。「業者さんに頼んでもなかなか来てもらえない」と建設業に従事する義弟に修理を依頼。今月、やっと屋根の修理が始まった。瓦や建築材の処分も気掛かり。災害ごみの対象とならない断熱材などもあり、「どこに持っていけばいいのか、分からない」とため息をつく。

 新地町では、一部損壊以上の判定を受けた建物は7日時点で1439棟に及び、いまだシートで覆われたままの屋根が目立つ。町は今月、被災住宅を対象にした「住宅応急修理制度」の申し込みと修理完了期限を延長。申請の際に工事の見積もりを添えるよう呼び掛けるが、「業者がつかまらない状況」(町担当者)という。約220件が申請までこぎ着けたが、修理完了は50件に満たないという。

 同様に震度6強を記録した国見町。「いつになったら店で営業が再開できるのか」。商店街の老舗文具店「武田紙店」の3代目、武田功さん(56)は、被災した店舗兼自宅を不安そうな目で見つめた。

 がらんとした店内。入り口の柱は傾き、シャッターがぐにゃりと曲がったまま。店は半壊と認定され、二次被害が出ないようブルーシートで応急措置した姿は現在もそのままだ。今はインターネット販売をなんとか続けるが、被災した店は解体し、新築店舗での営業再開を決めた。ただ再開の見通しは不透明。「知り合いに解体と新築を頼んだけれど、ほかにもお客さんがいるようで手が回らないみたい。見通しは立たないよ」とつぶやいた。

845件中、完了は52件

 県の7日午後2時現在のまとめによると、地震による住宅被害は全壊90棟、半壊1177棟、一部損壊は1万6049棟となっている。

 罹災(りさい)証明書は10日正午現在、県内42市町村で2万8886件の申請受け付けに対し、84.8%に当たる2万4487件の交付が完了。また、7日現在、災害救助法が適用されている17市町で845件の住宅応急修理の申し込みがあり、このうち52件の修理が完了した。

 地震では、県内で1人が死亡。重傷の5人を含む100人が負傷した。農林水産関係の被害額は計19億3475万円(10日午後1時現在)を見込んでいる。