福島県内3地銀「明暗」分かれる 21年3月期、本業収益は堅調

 

 東邦、福島、大東の県内3地銀の2021年3月期決算が14日、出そろった。新型コロナウイルスの影響を受け、東邦は20期ぶり、福島は3期ぶりの赤字に転落。一方、大東は減益となったものの唯一黒字を確保し、地銀を取り巻く経営環境の厳しさが増す中、明暗が分かれる形になった。

 連結ベースの純損益は東邦が46億6400万円、福島が17億2400万円の赤字で、大東は9億9000万円の黒字。コロナ禍で多くの取引先の業績が悪化。東邦と福島は今後発生する恐れがあるリスクを踏まえ、予防的な貸倒引当金を計上したことが赤字の主な要因となった。さらに株式など有価証券の含み損も処理した。

 一方、3行の本業収益は堅調だ。日銀の低金利政策で貸出金利息が伸び悩んでいたが、新型コロナに対応した融資で資金利益が期待される。地銀などが収益力向上や経費削減など一定の条件を達成した場合、日銀が実質的な補助金を支給する新制度も追い風となる。

 経営の健全性を示す自己資本比率は東邦が9.28%、福島が7.94%、大東が10.41%で、いずれも国内基準の4%を上回った。日銀福島支店の植田リサ支店長は4月に記者会見で「(各行は)当期赤字が出たとしても、十分吸収できる経営体力を持っている」との認識を示している。