「打ち手」確保へ福島市独自接種 医療従事者向けコロナワクチン

 
福島市の集団接種会場でワクチン接種を受ける高齢者。医療スタッフの確保でさらなる加速を図る=17日、NCVふくしまアリーナ

 高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種が本格化し、医師や看護師の確保が課題になっている。本県では、医療従事者に対するワクチン接種が完了しておらず、各自治体が頭を悩ませている。そんな中、福島市が独自で医療従事者へのワクチン接種を行う方針を固めた。基本的には県が担う医療従事者の接種を市がサポートすることで、「打ち手」の確保と県都福島の高齢者ワクチン接種を加速させたい考えだ。

 「このままでは目標とする7月末の高齢者への接種完了は難しい」。福島市のワクチン接種対策チームの国分英男リーダー(56)は語る。同市は、17日から高齢者の集団接種と個別接種に着手した。しかし、医療従事者が足りず接種の受付数を伸ばすことができずにいる。現状では、完了は8月までずれ込む見通しだ。

 医療従事者への接種は、県が政府から配分されるワクチンを医師らの人数に基づいて医療機関へ割り振り、打つ枠組みになっている。

 県が算出した医療従事者の数は約7万人。17日現在、このうち1回目の接種を終えたのは7割強で、十分な発症予防効果が得られる2回目の接種を終えたのは4割弱だ。現在、最終便のワクチンが届いた段階で、全員が2回目の接種を終えるのは6月末になる。

 福島市の医療従事者への接種は来週にも、集団接種会場で行う方向で調整している。市内の医療機関などに勤務する医師らを対象としており、県の接種と組み合わせて2回接種を実現し、「打ち手」の確保につなげていく。使用するワクチンは、市に割り当てられた配分量の中で調整する。

 人材の確保ができ次第、個別接種に協力してもらう医療機関の数を現状の約130カ所から最大170カ所に早期に増やす構えだ。集団接種の能力も1日約330人から、最大約700人まで拡充する目標の達成時期を前倒しする。

 国分リーダーは、業務に追われている医療機関の立場を考えると、さらなる協力を求めることに複雑な思いがあるという。高齢者への7月末の接種完了に向け、「無理を強いるようで心苦しいが、何とか協力して」と声を振り絞った。