飯坂温泉で国内初確認「ラジウム」、明治期調査資料 飯坂小で発見

 
逸見校長と発見された資料に見入る佐藤さん(右)

 飯坂温泉で日本で初めて存在が確認された元素「ラジウム」に関する資料が、福島市飯坂町の飯坂小で見つかった。ラジウムの存在を確認した真鍋嘉一郎(東京帝国大教授)が記した資料の複製とみられ、資料発見のきっかけとなった同市の佐藤喜市郎さん(72)は「ラジウム玉子など、ラジウムと歩んできた飯坂の歴史に注目が集まり、活性化につながれば」と期待する。

 ラジウムは、キュリー夫妻が1898(明治31)年に発見した放射性元素。日本では数年後、当時東京帝大(現東京大)の医学生だったとみられる真鍋が飯坂温泉の湯を調べ、ラジウムの存在を初めて確認した。「飯坂」の名は全国に知れ渡り、ラジウム玉子などの土産物が誕生した。

 見つかった資料は英文で、「Iizaka(飯坂)Iwasiro(岩代国)」で実験し、波来湯や鯖湖湯など約10カ所で取得したデータが表で示されている。数式も多く詳しい内容は不明だが、地元の医師とみられる人物が翻訳した文章も一緒に見つかり、飯坂温泉でのラジウム発見が大きなニュースとして捉えられていた様子がうかがえる。

 佐藤さんは、連続テレビ小説「エール」の放送に合わせ、作曲家古関裕而が残した飯坂小校歌の直筆楽譜を探していた。楽譜は校長室の金庫から発見され、その際の「副産物」(佐藤さん)としてラジウムに関する資料が見つかった。

 佐藤さんは、飯坂小から発見されたことを「小学校なら安全に保管できると考え寄贈したのだろう」と推測。「ラジウムの発見が湯治や温泉療法などを加速させ、名物も生まれた。資料を解析することで、ラジウムの効果が知られるようになればいい」と期待する。同校の逸見健二校長(58)は「学校にとってもお宝。歴史を子どもたちに伝えていきたい」と話している。