高齢者ワクチン接種7月完了へ対応急ぐ 医療従事者確保など課題

 
県内で進められている高齢者の新型コロナのワクチン接種。7月末の完了に向け、各自治体が対応を急いでいる

 政府が高齢者向け新型コロナウイルスワクチン接種の「7月末完了」を掲げたことを受け、対象者の多い県内の市は当初計画を見直すなどして対応を急いでいる。ただ、現時点で同月末の完了が見通せない市もあり、前倒しには医療従事者の確保などの課題がある。

 対象が高齢者約10万人に及ぶいわき市は、9月中に65歳以上の接種完了を見込んでいたが、政府方針を受け、約2カ月計画を前倒しするため、調整に追われている。市は、集団接種会場「いわきグリーンベース」での接種数を増やすため、医療機関に派遣医師や看護師の増員、協力回数を増やすことなどを要請。今月末までに集団接種を拡充させるための計画を示す考え。個別接種についても医師会が各医療機関に受け入れ拡充の協力を促している。

 ただ、「勤務医や開業医の数が限られ、医療機関に負担が掛かっている」(担当者)ため、歯科医師への協力要請も検討する方針だ。担当者は「医師や看護師の人員確保など厳しい状況だが7月末までの完了を目指したい」と強調する。

 約3万8000人が対象の会津若松市。17日から55医療機関で先行接種を除く対象者の個別接種が始まった。政府方針通りに完了させるには約2週間短縮させ、1週間当たりの接種数を1000回ほど増やす必要がある。「2週間短縮は影響が大きい。医師の人的支援が必要だ」と担当者。市は各医療機関で個別接種の回数を増やすよう医師会に依頼した。室井照平市長は19日の記者会見で「7月中の完了には、7月10日前後に1回目を終えなければならない。早く受けたい人にはできるだけ対応したい」と話した。

 伊達市も高齢者約2万2000人の接種を当初予定の8月末ごろから、7月末ごろまでに早めることを決めた。前倒しのため来月7日に始まる第3回集団接種から、1日当たりの被接種者を60人増の180人とする。医師会と協議しながらスピードアップを目指す。

 一方、郡山市は当初計画通り、対象約9万1000人の接種について7月末の完了を予定。担当者は「国は6月中に全高齢者分を配分するとした通知通り、継続してワクチンを安定供給してほしい」と注文する。