福島県、凍霜害27億円超 果樹産出額1割に相当、26市町村波及

 

 県は20日、4月に発生した凍霜害による農作物の被害額(確定値)が27億6723万2000円に上ったと発表した。県内26市町村に被害が及び、被害額は記録の残る1980(昭和55)年以降で過去2番目、平成以降では最も多い。モモやナシなど果樹が大半で、果樹の被害額は27億5787万8000円と、年間の県内産出額(273億円)の1割に達した。県は農家への財政支援などを検討しており、制度構築を急ぐ。

 被害が出たのは11市12町3村。被害が最も大きかったのは伊達市の9億883万3000円。次いで福島市5億2704万6000円、桑折町3億4777万4000円、国見町3億3431万6000円で、県北地方の被害が大きかった。中には全く収穫が見込めない畑もあるという。これまで被害が確認されていた中通りや会津に加え、相双地方でも被害があった。

 品目別では、モモが13億6858万8000円と最多。日本ナシが6億1802万1000円、カキが4億8910万2000円、リンゴが2億2275万5000円で続き、果樹と野菜の計18品目で被害があった。被害面積は計約1470ヘクタール。

 県内では4月10~27日の計4日間にわたる降霜で被害が発生。春先の温暖な気候で例年より早く花が咲いたところに強い冷え込みが襲い、被害が広がった。被害額は4月28日公表の速報値(約10億8000万円)から大幅に増加。県によると、継続して花の状況を確認していたものの、今月に入っても実が付かなかったケースが多くあった。

 霜害の予防には、上部から空気を送ることで地表の冷たい空気を逃がす「防霜ファン」が有効だが、設置には1ヘクタール当たり100万円前後の費用がかかるため、導入をためらう農家が少なくない。

 また凍霜害が発生した場合、農家が収入保険や果樹共済に加入していれば減収幅の8割以上が補填(ほてん)されるが、保険料の負担が大きいことなどを背景に加入が進まず、加入率は県内果樹園面積の3割弱にとどまっているという。

 県は、営農を継続する上で深刻な事態に陥っている県内農家が多いとみて、樹勢を回復させたり、病害虫を防いだりする肥料の購入や、防霜ファン導入などの支援を検討している。併せて、被害を受けていない実を残す作業など技術面での支援も続けていく方針。