経験ないモモやカキなど凍霜害 国見の農家「実つかず悲しい」

 
モモ畑で「来年のために頑張るしかない」とつぶやく鈴木さん=20日、国見町

 平成以降で最大規模となった県内の凍霜害。モモやカキ、ナシなどを栽培する県内の農家は経験したことのないほどの被害に苦悩しながら、被害の少なかった果実を出荷につなげようと前を向く。

 「もうここのモモとカキは全滅だ。見るだけで悲しいよ」。国見町の農家鈴木耕治さん(70)は町内を中心に約200アールの土地でモモやカキを栽培しているが、同町西大枝にあるモモ畑60アールとカキ畑10アールが4月中旬の遅霜の被害を受けた。本来この時期のモモの木は1本当たり1200個程度の実をつけるが実がほとんどない状況だ。わずかに実をつけている木もあるが、鈴木さんによると残っている実に栄養が集中して収穫直前にひびが入ったり、ひびから腐敗が進んだりして市場に流通できないという。

 このような状況下でも10日に1度は病気を防ぐため消毒作業を続けている。「来年のためとはいえ、なんのために消毒しているのか分からなくなるが、防霜ファンのおかげで助かったモモ畑もある。なんとか頑張りたい」と前を向く。

 町の担当者は「モモは町の大切な基幹産業の一つ。来年の営農意欲が衰退しないためにも、できる限りの支援をしたい」と話した。

 肥料と薬剤購入、福島市は補助へ

 福島市では、被害がモモ、リンゴなど200ヘクタール超に及び、被害額は5億円以上。市は農家支援として、樹勢回復用肥料と病害虫防除用薬剤の購入補助を行う。関連予算約2100万円を盛り込んだ補正予算を市6月議会に提案する。

 同市鎌田の古山果樹園では主力のモモが凍霜害で収穫量激減の危機に陥ったが被害の少なかった地表2メートル以上のつぼみを中心に残し、現在はある程度、収穫量が見通せるようになった。古山浩司代表(45)は「おいしいモモを消費者に届けるため農作業に励む」と話す。