葛尾・帰還困難区域の野行地区で11年ぶりコメ栽培 試験開始

 
帰還困難区域内の水田で田植えする組合員 =22日午前、葛尾村葛尾野行

 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となっている葛尾村の野行地区で22日、営農再開に向けたコメの試験栽培が始まった。東日本大震災を挟み、同地区でコメの栽培が行われるのは11年ぶり。10月に収穫予定で、放射性物質を検査して安全性を確かめる。

 試験栽培が始まったのは、野行地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)内の水田約5アール。地元コメ農家らでつくる野行農業生産組合が栽培する。22日は小雨が降る中、組合員らが田植え機で県オリジナル品種「里山のつぶ」の苗を植え付けた。

 半沢富二雄組合長(67)は「11年ぶりの農作業は夢のよう。野行は他地域に比べ復興が遅れており、焦りを感じていた。今回の田植えは野行復興の入り口だ。安全性を確認し、住民帰還に向けた弾みにしたい」と話した。

 組合は今後、野菜の試験栽培も地区内の農地3カ所計6アールで行う予定。ブロッコリー、キャベツ、ホウレンソウ、コマツナ、カブの計5品目を育てる。試験栽培のため、収穫したコメと野菜は放射性物質の検査後に全量廃棄する。

 野行地区は村の北東部にあり、約1600ヘクタールが帰還困難区域になっている。村はこのうち、主要道の周辺など約95ヘクタールを復興拠点として整備し、来年春の避難指示解除を目指している。