医療機器開発支援センター、2025年度に収入4億円超目標

 

 ふくしま医療機器開発支援センター(郡山市)を運営するふくしま医療機器産業推進機構は、本年度からセンターの事業収入を年間5000万円ペースで伸ばし、2025年度に4億2360万円を確保するとの事業計画をまとめた。企業や大学との連携強化を軸に利用促進を図る考えだが、16年11月の開設から事業収入が目標を超えたことは一度もなく、改めて機構の実行力が問われる5年間となる。

 収入は年々増えているものの目標には届いておらず、利用の拡大が急務となっている。新たな計画には、これまで利用実績がある医療機器メーカー約100社の定着に加え、大学や企業との連携で新規顧客を獲得すると明記。年間約20%ずつ収入を伸ばし、25年度には20年度の倍まで実績を拡大する方向性を打ち出した。

 新たな顧客獲得の具体策として機構は4月、企業間をつなぐコーディネーター1人をセンターに配置。県内企業へ発注が見込まれる医療機器の開発案件を掘り起こして技術を橋渡しし、センターでの安全性評価試験の誘致につなげる。

 医科大学との連携にも注力し、大学自体の利用から施設の信頼性を高めて企業の呼び込みを狙う。センターには、国内では珍しい豚を使った実験施設や手術室など多様な設備があり、これまでに福島医大、自治医大、順天堂大と利活用や人材育成に関する協定を締結。2月には新たに国立がん研究センター東病院とも連携協定を結び、大学とのつながりを全国的な知名度アップに生かす。

黒字化に年5億円

 機構はこれまでも、センターで行う評価試験の客観性、確実性を示す三つの国際認証を取得したり、試験料金を引き下げたりして利用促進を図ってきた。ただ、事業収支の黒字化には毎年5億円ほどの収入が必要なため、5年間での収入の底上げを足掛かりに将来的な黒字確保を図る考えだ。機構の担当者は「期待が大きい施設だけに、実績と信頼を積み上げ、着実に収入を増やしていく」としている。

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 ふくしま医療機器開発支援センター 医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する国内初の拠点として、県が国の補助金134億円を投じて開設。県が掲げる医療機器関連産業集積の中核施設に位置付けられるが、運営費の不足分を県の財源で賄う状態が続いている。県は機構に対し、事業の赤字の補填(ほてん)と人材育成などの公共事業に当たる「公共・管理部門」の経費として、5年間で最大23億6900万円の支出を決めている。