「あぶくまもち」復活へ 震災で栽培中断、県独自の水稲品種

 
飯舘村で始まった「あぶくまもち」の実証栽培

 東日本大震災前に飯舘村を中心に栽培されていた県オリジナル水稲品種「あぶくまもち」の普及を目的とした実証栽培が21日、村内の水田で始まった。現地で同日、地元農家や関係者による田植えが行われた。

 あぶくまもちは、村の気候条件を生かすために開発されたもち米で、2008(平成20)年に県の奨励品種に指定された。09年に村内のほ場1ヘクタールで栽培が始まり、10年には19・4ヘクタールに作付面積を拡大したが、翌年に東日本大震災が発生。東京電力福島第1原発事故の影響で村は全村避難となり、あぶくまもちの栽培は一時、途絶えてしまった。

 実証栽培は、村内前田地区の16アールの水田で実施。県農業総合センターで保管されていたあぶくまもちの種子6キロ分の苗を準備した。今回の栽培では、収穫したコメの販売は行わず、収量や品質を確かめ、作付けを拡大するかどうかを判断する。あぶくまもちを使った加工品の試作や、地元農家、関係者を対象にしたコメの試食会も検討している。

 田植えには約20人が参加。時折雨が降る中、機械を使って苗を植えた。杉岡誠村長と県相双農林事務所の大波恒昭所長も視察に訪れ、苗を丁寧に手植えした。

 参加した村在住の農業青田豊実さん(49)は「今後あぶくまもちが普及し、高値で取引されるような品種になってほしい。若い世代の新規就農者の参入も期待したい」と話した。