県外最終処分「日本全体の問題」 除染土巡り初の対話フォーラム

 
県外最終処分への道筋を議論する(左から)タレントのなすびさん、小泉進次郎環境相、お笑い芸人のカンニング竹山さん、開沼博東大大学院准教授、オンライン参加の高村昇長崎大教授=都内

 県内の除染で出た汚染土壌などを最大30年保管する中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)を巡り、環境省は23日、県外での最終処分に向けた初の「対話フォーラム」を開いた。除染で出た土壌などは2045年3月までに県外で最終処分を完了させると法律で義務付けられているが、東京電力福島第1原発事故から10年がたっても国民に十分知られていないのが現状。政府が国民の理解を得て、早期に実現への道筋を付けられるかどうかが焦点となる。

 小泉進次郎環境相と本県ゆかりの有識者らによる討論が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大で東京都内の会場に一般参加者を入れず、オンラインで配信した。小泉氏は「県外最終処分は法律で定めた県民と国との約束だ」と語り、除染で出た土壌の再生利用など最終処分量を減らす取り組みに理解を呼び掛けた。

 オンラインでの参加者からは「なぜ県外で最終処分するのか。除染で出た土壌を拡散させてしまうのではないか」との意見が寄せられた。小泉氏は原発事故で住民が避難を強いられ、中間貯蔵施設を受け入れた大熊、双葉両町の苦難に触れ「福島だけの問題と位置付けるわけにはいかない。日本全体の問題だ。『なぜ外に出すのだ』との意見に向き合いながらも、まずは県外での再生利用が進むよう理解醸成の取り組みを強めたい」と述べた。

 環境省が昨年行った調査によると、県外最終処分を定めた法律に関し「聞いたことはあるが、内容を全く知らない」「聞いたことがない」と答えた人が県外で80.9%に上り、県内でも49.7%と周知が足りない実態が浮き彫りになった。

 このため同省は本年度、今回を振り出しに関西や九州などブロックごとに対話集会を開き、国民に理解を深めてもらうための活動を本格化させる。併せて再生利用の技術や最終処分場の構造、面積などの検討を続け、24年度末をめどに具体案をまとめる方針だ。