聴覚障害者や外国人119番通報 的確に対応、いわき市消防本部訓練

 
いわき市消防本部で行われた訓練

 いわき市消防本部は24、25の両日、聴覚障害者や外国語を話す人などに対応した多様な119番通報形式への対応訓練を行った。職員らは、どのような場合でも一刻も早く現場に到着することができるよう、迅速かつ正確な情報把握を目指し真剣に取り組んでいた。

 市消防本部で実施した訓練には、119番通報を受ける指令課の職員12人が参加。聴覚に障害がある人など会話が苦手な人に利用してもらう「Net119緊急通報システム」と、外国語を母語とする人の通報を受ける「電話同時通訳」の二つのシステムの運用を確認した。

 「Net119緊急通報システム」は、スマートフォンやタブレットなどを使ったチャット形式の通報システムで、必要な情報が画面に表示される。電話同時通訳は、英、中国、韓国、ポルトガル、スペインの5カ国語に対応しており、通報者と通訳者、消防本部が三者同時で話すことができるようになっている。

 訓練は、それぞれのシステムについて火事や交通事故、水害などの通報があったと想定して行った。電話同時通訳では、通報者役としていわき市国際交流協会の職員3人が協力した。消防本部の職員は、お互いの通報を受ける手順などを見合うなどして、技術の向上を図っていた。

 大平哲也指令課長補佐は「どちらの形式も通常の電話より時間はかかってしまう。一人でも多くの命を救えるよう、素早い対応を身に付けていきたい」と、訓練を実際の活動に結び付けていく決意を語った。

 登録者数伸び悩む 

 市消防本部によると、「Net119緊急通報システム」の利用者数が伸び悩んでいるという。同システムは昨年10月に導入されたが、市内に1140人いるとされる障害者手帳保持者のうち、登録者は65人にとどまっている。

 同システムを利用するには事前の会員登録が必要となっている。円滑な出動につなげるため、氏名や住所のほか、よく訪れる場所などの登録をお願いしている。同本部は、登録者が増えない原因の一つを、登録の際にいわき市平の市消防本部に出向かなければならないことではないかと分析している。

 ただ、個人情報を扱うためどうしても対面での確認が必要なのが現状だ。同本部は「手間はかかるが、万が一のために足を運んでほしい」と、積極的な事前登録を呼び掛けている。