1日最大500トン放出 東電方針、第1原発処理水満杯23年春に

 

 東京電力は27日、福島第1原発で発生する放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について、放出開始後の1日当たりの放出量を最大500トン(稀釈前)とする方針を示した。処理水を保管するタンクが満杯になる時期については、従来の「2022年秋以降」から「23年春ごろ」まで先延ばしできる見通しも示した。

 東電が処理水の処分量について具体的な数値を明らかにしたのは初めて。現在、第1原発敷地内で汚染水が1日当たり約150トン発生しているとし、発生量を上回る放出が必要と判断。多核種除去設備(ALPS)の処理能力から1日当たり最大500トンと算出した。

 海洋放出に当たっては、原発敷地内のタンク約137万トン分のうち、ALPS付近にある3基を放出準備用のタンクに転用する。その上で、転用分を補うタンクを新設、保管できる水量を3万トン増の約140万トンとする方針。新設タンクと放出準備用タンクを稼働させることで、23年春まで処理水の保管が継続できるとしている。

 23年春は、方針決定から2年後に当たり、満杯となる時期に合わせての海洋放出を想定している。

 一方、東電はトリチウムの分離技術の調査検討にも着手。27日、第三者機関を交えた調査や提案受け付けを開始した。現実的に実用可能な技術があれば、具体的設計の検討や実証試験を経て技術の確立を目指すとしている。