「安来節」熟年師範に認定 県内初、相馬・89歳の松本さん

 
舞台で安来節を披露する松本さん

 相馬市の松本良治さん(89)が、ドジョウすくい踊りとして親しまれる「安来節」の熟練の踊り手として、安来節保存会(島根県安来市)から「熟年師範」に認定された。

 松本さんは「安来節は自分にとって生きがい。難しいところもあるが、好きだから続けることができた」と喜びを語った。熟年師範への認定は福島県内で初めて。

  同会では「踊」「唄」「鼓」など種目ごとに3級から名人まで11の資格を設けており、年1回昇級昇格審査を実施している。熟年師範は今年新たに設けられた資格で、準師範の70歳以上が対象となる。

 熟年師範への初の昇格審査には全国から計224人の応募があった。審査は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、録画映像を通じて行われ、196人が合格した。

 安来節と松本さんの出会いは、半世紀前にさかのぼる。旅行で訪れた安来市で見た踊りの面白さに引き付けられた。だが、実際に踊り始めたのは、県職員や会社員生活を終えた76歳になってから。「これから、何をやろうかと思ったとき、思い出したんだ」と振り返る。その後、仙台市内にある稽古場に月2回通っては練習を重ねた。

◆「みんなに楽しんでもらいたい」

 安来節では、足運びの習得が難しいという。泥の中を進みながら、ドジョウを探す様子を忠実に再現しようと、自らが踊る映像を自宅で見返して研究するなど、復習を繰り返した。

 東日本大震災後は、ボランティア活動として、各地で安来節を披露してきた。「拍手をもらったときが一番うれしい」と声を弾ませる。

 90歳を前にして「踊ると息が切れることもある。それでもやめられない」という松本さん。「県内では、まだ安来節を踊る人が少ない。みんなに楽しんでもらいたい」と語った。