パネル下で「サカキ生産」 いわきで営農型太陽光発電スタート

 
太陽光発電のパネルの下に植えられたサカキ

 神事などに用いられるサカキの生産や加工、販売を手掛ける「彩(さい)の榊(さかき)」(東京都)と、太陽光発電設備の設計や販売、管理などを手掛ける「アースコム」(埼玉県)は2日、太陽光発電施設を設置したいわき市山玉町打越の農地でサカキの生産を始めた。

 営農型太陽光発電と呼ばれる事業形態で、浜通りの耕作放棄地の解消や、障害者の雇用創出を目指す両社の「ミライ型農業プロジェクト」の第1弾。

 県外で同様の事業を展開する彩の榊によると、山林に自生するサカキは適度な日陰を好むため、太陽光パネルの下で栽培するのに適しているという。

 今回は耕作放棄地だった6アールほどの農地に太陽光パネルを設置し、270株のサカキを植えた。今後、市内の障害者施設と連携して栽培する。太陽光パネルの発電能力は60キロワットで、東北電力に売電している。

 現地で行われた発電設備の設置式典では、彩の榊の佐藤幸次社長、アースコムの丸林信宏社長らがサカキを植樹するなどした。将来的には耕作放棄地1万7千カ所にプロジェクトを拡大する計画で、佐藤社長は取材に「まずはこの土地を大切にし、一つでも多くの耕作放棄地の解消、一人でも多くの障害者の雇用につなげたい」と語った。

 また、佐藤社長によると、浜通りは良質なサカキの産地だったが、震災と原発事故の影響で生産が途絶えたままという。

 佐藤社長は「応援してくれる人は絶対にいる。浜通りのサカキを復活させ、風評払拭(ふっしょく)につなげたい」と話した。