「バイオ炭」で野菜作り、脱炭素社会推進 川俣の法人が実証栽培

 
「子どもたちにきれいな地球を残したい」と話す菅野さん

 川俣町の一般社団法人「次世代産業創出構想」が同町山木屋地区で、植物を炭化させて作る土壌改良材「バイオ炭」を使った野菜の実証栽培に取り組んでいる。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の抑制が期待されるというバイオ炭を使った農業で脱炭素社会の実現を目指す。

 理事長の菅野文吉さん(69)は「子どもたちにきれいな地球を残さなければならない」と思いを語る。

 次世代産業創出構想は昨年5月、思いを共有する菅野さんら有志によって設立した。国連が掲げる持続可能な開発目標「SDGs」の観点から活動を展開している。

 実証栽培は山木屋地区のほ場で行われている。今回は、稲作に伴い大量に排出されるもみ殻を使ったバイオ炭「もみ殻くん炭」を土壌に混ぜて使用。夏野菜のトマト、ピーマン、ナス、キュウリを育てる。

 菅野さんによると、植物は大気中のCO2を吸収するが、枯れたり、燃えたりする際に排出される。CO2を排出する前の植物をバイオ炭として再利用することでCO2の抑制につなげる。計算上、1トンのもみ殻くん炭を使用した場合、約1・5トン分のCO2の排出を抑えられるという。

 現地で5月に行った野菜の苗植え作業には、菅野さんらメンバー7人が参加した。7月ごろに収穫を予定しており、野菜の品質や収量を確かめる。今回育てた野菜などもバイオ炭として活用し、循環型農業を進めていく考えだ。

 菅野さんは「一人一人の脱炭素に向けた取り組みが、やがて大きな積み重ねとなり、地球温暖化防止につながる」と話した。参加した実証ほ場の所有者で農業の星義和さん(29)=二本松市在住=は「今回の取り組みは次世代の農業の後押しになる」と期待を寄せた。