福島大、職域接種「厳しい」 新型コロナ、打ち手や機材に不安

 
新型コロナウイルスワクチンの接種会場として検討されている大学のキャンパス。スタッフの確保など、実施に向けた課題を指摘する声が上がる。写真は福島市の福島大

 新型コロナウイルスワクチン接種の加速に向け、政府が1日に打ち出した職場や大学での「職域接種」。ただ、県内の企業や大学へ事前の十分な説明はなく、担当者からは困惑の声が聞かれる。スタッフや会場の確保など課題を指摘する声もあり、県内で順調に進むかは不透明な状況だ。

 「接種のスタッフをそろえたり、(重いアレルギー反応の)アナフィラキシーが起きた場合の対応も必要になる。本学のような規模の大学では接種は難しい」。福島大の三浦浩喜学長は2日、定例記者会見で、大学キャンパスを会場とした職域接種の可能性についてこう語った。

 「約4500人の学生が大学で接種できれば大変ありがたい」とする一方、打ち手や必要な機材などを自前で用意するよう求められた場合「医学部のある大学なら大学内の人材、資源で接種を進めることもできると思うが、本学は厳しい」と率直に語った。どういった方法なら接種が可能か、今後検討していく考えだ。

 国からは5月に地域の接種会場として大学キャンパスを貸すことができるか調査があったが、学生への影響や、キャンパスが街中から離れていることを理由に、会場としての使用は難しいと回答したという。

 福島医大も大学の立地や施設の安全管理面を考慮しキャンパスをワクチン会場として貸し出すことは考えていないとする。ただ、医師の派遣など、市町村が実施する接種への協力については県と調整を進めている。

 会津大はワクチン接種の会場として体育館を候補とするが、長期間の利用予定がない夏休みなどに限られる。冷房設備がない点も課題で、実際に使用可能かを今後検討する。打ち手となる医師の確保も課題で、担当者は「急な話で何も決まっていない」と説明する。

 いわき市の東日本国際大も、現時点での対応は白紙の状態。担当者は「連絡がないと検討しようがない」と困惑気味に話す。

 ゼビオ、郡山と東京検討

 県内の企業も情報収集を急ぐ。スポーツ用品大手のゼビオは、郡山市の本社と東京都にあるグループ本社の計2会場でのワクチン接種について検討を始めた。パートやアルバイトを含む従業員のうち、両本社の周辺で働く500人程度への接種を考えている。

 ただ、医師や看護師の確保を含め必要な準備が見通せない状況という。担当者は「条件が整えば実施したいが、現時点では情報が少なすぎる」と指摘する。