堆肥・飼料を相互供給、農業再生へ 浪江町が牧場と栽培連携協定

 
協定書を取り交わす(左から)砂金会長、吉田町長、宗像組合長

 浪江町は3日、県酪農業協同組合(県酪協)、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)と酪農復興事業に関する連携協定を締結した。町が町内の棚塩地区に整備する復興牧場の畜産農家と町内のコメや野菜などの栽培農家が堆肥や飼料を相互に供給し、循環型農業を構築。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの農業再生を目指す。

 協定は〈1〉畜産振興・耕畜連携体制構築〈2〉復興牧場の整備建設〈3〉復興牧場の運営〈4〉酪農復興事業に関する人材の確保・育成―の4項目。

 町役場で締結式が行われ、吉田数博町長、宗像実県酪協組合長、砂金甚太郎全酪連会長が協定書を交わした。吉田町長は「牧場の堆肥を農地に還元し、農地の地力回復、生産力向上を図りたい。連携は復興の大きな原動力になる」と期待した。

 復興牧場は敷地面積約24ヘクタール。乳牛などの飼育頭数は計約2千頭を予定し、生乳生産量は年間1万トンを見込む。本年度中に着工し、2024年度の完成を計画している。

 県酪協、全酪連、被災休業酪農家らが出資する新法人が経営し、30人の雇用を見込む。ロボットやICT(情報通信技術)を活用した自動給餌(きゅうじ)装置や搾乳機器などの最新技術を導入し、酪農技術の研究機能を兼ねた牧場としては国内最大。東北電力から無償譲渡された浪江・小高原発の旧建設予定地に整備する。

 町によると、町では震災前、全農家1019戸のうち95戸が畜産に関わっていた。震災後に町内で再開した畜産農家はいない。