福島県最重点は「処理水」 政府予算へ提案・要望、44項目決定

 

 県は3日、2022年度の政府予算編成に向けた国への提案・要望として44項目を決めた。東京電力福島第1原発で発生する処理水を海洋放出する政府方針を受け、正確な情報発信や万全な風評対策など「責任ある対応」を求めることを最重点事項と位置付けた。内堀雅雄知事が8日に上京し、官邸や各党、関係省庁に要望する。

 県庁で開いた新生ふくしま復興推進本部会議で決定した。処理水への対応のほか、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の中核として浜通りに整備する国際教育研究拠点について、政府が本年度中をめどに基本構想を策定することを踏まえ、最先端の研究や魅力ある環境整備を要望する。

 原発事故に伴う帰還困難区域の復興・再生に向けては、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域の避難指示解除のため、具体的な方針を早急に示すよう働き掛ける。原発事故から10年が経過した今も、帰還困難区域全体の9割以上を占める拠点外の地域について方向性が定まっていないことや、帰還困難区域を抱える5町村が早急な方針決定を求めていることを踏まえ、政府に対して改めて強く訴える方針。

 処理水については、方針決定を受けてこれまで要望してきた万全な風評対策など5項目と、東電への指導・監督を求める。ほかにも生産から流通、消費に至る対策の推進などで水産業再生の取り組みを強化することや、観光復興へ新たな風評を生じさせない対策を徹底するよう訴える。

 新型コロナウイルス関連では、まん延防止等重点措置の迅速な適用など、自治体の意向を踏まえた迅速で柔軟な対応を求める。

 県は政府要望に当たり、東京都などで緊急事態宣言が20日まで再延長されたことを受け、オンラインの活用なども検討したが、直接要望を伝える必要があるとして例年同様、内堀知事が上京して提案・要望することに決めた。感染拡大防止の観点から最小限の人数で行う。内堀知事は本部会議で「現場主義、実現する、粘り強さの三つの思いを持って臨んでほしい」と述べた。