消防本部、ワクチン接種に地域差 郡山、いわきは人数多く苦慮

 

 新型コロナウイルス感染症患者の搬送などを担う県内消防本部で、救急隊員など職員のワクチン接種が進んでいる。4日接種予定を含めると、12消防本部のうち半数以上の7消防本部で接種が完了する。一方、接種が十分には進んでいない本部もあり、県内でも地域差が出てきている。

 コロナ患者の搬送などを行う消防職員は、救急隊員やその業務をサポートするほかの職員も医療従事者などとともに優先接種の対象となっている。4日までに計7消防本部が接種を完了する予定だ。接種率が比較的低いのは職員数の多い郡山地方、いわき市の両消防本部。郡山は1回目の接種が66.7%と7割を下回っていて、いわきは1回目こそ94%が接種を終えているが、2回目は32%にとどまる。

 郡山地方消防本部によると、同消防本部は、管内が郡山市から田村地方までと広く、対象職員も400人以上と多いことなどが理由という。また、いわき市消防本部では、接種日に出動が重なった場合の日程調整などに苦慮しているという。市町村によって接種の進め方が異なることも接種率に影響しているとみられる。

 ただ、接種の拡大で現場職員には一定の安心感が広がる。福島市消防本部救急課主任の半谷(はんがい)尚政さん(45)は、5月18日に2回目の接種を終えた。普段から徹底した感染対策で業務に当たっているが、職場では職員や市民、そして仕事以外では家族と接触の機会がある。「ワクチン接種で(互いの)感染の確率が下がることへ安心感は増す」と話す。

 県内は新型コロナの感染者数が減少傾向にあるものの、救急現場の緊張感は依然高い。郡山地方消防本部救急係の飛田清さん(36)は「(コロナ下の業務は)現場に行かないと分からないという怖さがある。署内で感染が拡大し、消防としての機能が失われないように気を使っている」という。同消防本部では消毒や防具の装着など基本の対策を徹底し、感染疑いのある患者の搬送後は救急車の消毒を行う。飛田さんは「ワクチン接種だけが予防策ではない。普段の予防策を徹底した上で、日々の業務に当たらなければならない」と気を引き締める。