水素車物流、郡山といわきで2022年実証 トヨタ、スーパーと連携

 

 トヨタ自動車と県は県内スーパーやコンビニ大手などと連携して、水素で走る燃料電池(FC)トラックを活用した物流の実証をいわき、郡山両市で始める。経済性を検証するなど水素社会の実現に向けた課題を洗い出し、水素活用の「まちづくりモデル」を構築、将来的な全国展開を目指す。来年中の開始予定で、浪江町の製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」でつくった水素を活用し、県産水素の利用拡大にもつなげる。

 トヨタによると、同社が自治体と組み、同様の実証を行うのは初めて。詳細は今後詰めるが、トヨタやいすゞ自動車など3社が製造するFCトラックを水素ステーションを備える両市で複数台ずつ導入、効率的な配送ルートの策定や水素を供給する水素ステーションが混雑しないように各車両の充填(じゅうてん)のタイミングなどを検証する。水素ステーション運営がビジネスとして成り立つのも確認する。

 いわき、郡山両市の人口はそれぞれ30万人規模で、全国でも同程度の自治体が多くあることから、トヨタは取り組みを応用しやすいとみている。

 実証には、県内からスーパーを展開するヨークベニマル(郡山市)とマルト(いわき市)、水素ステーションを運営する佐藤燃料(郡山市)と根本通商(いわき市)などが参画。大手ではセブン―イレブン・ジャパン(東京)やイオン(千葉)などが加わる。地元企業が関わることで、県民に水素の活用を身近に感じてもらう狙いもある。

 実証に併せて、浪江町をはじめ県内各地でのFCのキッチンカーやドクターカーの運用と、店舗や工場での水素活用についても検討していく。

 本県は東京電力福島第1原発事故後、復興や新産業創出の取り組みの柱として、再生可能エネルギー先駆けの地や「福島新エネ社会構想」を掲げ、浪江町に世界最大規模の製造拠点を設けるなど水素関連の取り組みに力を入れている。

 トヨタは水素で走る燃料電池車を開発するなど、水素活用の分野で先進的な取り組みをしており、トヨタの豊田章男社長は3月に浪江町の製造拠点を訪れ、本県での実証を視野に県などと連携する方針を示し、両者が協議を重ねていた。

■参画企業と団体(4日現在)

▽アサヒグループホールディングス(東京)
▽イオン(千葉)
▽いすゞ自動車(東京)
▽佐藤燃料(郡山市)
▽セブン―イレブン・ジャパン(東京)
▽デンソー福島(田村市)
▽根本通商(いわき市)
▽日野自動車(東京)
▽ファミリーマート(東京)
▽マルト(いわき市)
▽ヨークベニマル(郡山市)
▽ローソン(東京)
▽産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(郡山市)