開発工事中に出土、磐城平城の内堀遺構か 江戸時代の絵図と一致

 
磐城平城跡の内堀とみられる遺構の調査が始まったJRいわき駅南口の工事現場

 いわき市のJRいわき駅南口で、磐城平城の内堀とみられる遺構が見つかったことが4日、市への取材で分かった。JR東日本が周辺で進める開発工事で出土し、委託を受けた市教育文化事業団が発掘調査を始めた。同事業団の担当者は「道路や建物が密集していて発掘できない区域が多いため、調査を全体の把握に役立てたい」と話す。

 遺構が見つかったのは、いわき駅南口の駅ビル西側。JR東日本は周辺で、駅ビル直結のホテルと商業施設を建設する予定。開発工事中に遺構が見つかったことから、2月中旬に同事業団が試掘調査を実施。明治時代ごろの石組みの構造物や、磐城平城の南端部分とみられる人工的に掘られたくぼみ、江戸時代ごろのものとみられる陶磁器のかけらも発見された。

 市内に残る江戸時代の絵図に描かれた内堀の位置と一致しており、担当者は「内堀ということがはっきりすれば絵図の信頼性も高まる」とする。これまでは、一部が地面に露出している本丸跡地北側の「丹後沢」でのみ、内堀の遺構が確認されていた。

 発掘調査は遺構の記録と保存のため1日から約754平方メートルの敷地で始まり、9月初旬ごろまで行う方針。歴史的重要物が発見されなければ開発工事は再開される予定だが、JR東日本は2022年春に開業予定のホテルと商業施設について「開業時期への影響は調査次第となる」とした。

 いわき駅周辺ではこのほか、駅北口や西側などでも開発工事が進んでおり、今後も遺構が見つかる可能性がある。市は磐城平城本丸跡地で見つかった御殿跡とみられる遺構について、国史跡指定を目指している。