デートの装い、もう失敗しない...自在に光る勝負服 会津大生が開発

 
スマートフォンで操作してLEDを光らせることでデザインを自由自在に変えられる服「エレクロ」。右上から時計回りに「ダイヤ柄」「丸いマーク」「ドクロマーク」「ネクタイ」

 いつでもどこでも気軽に服のデザインを変えられたら―。そんな発想から生まれた一風変わった服を、会津大2年の谷川直弥さん(20)らのチームが開発した。スマートフォンのアプリを操作するだけで一瞬で全く違ったデザインに変化する。課題は多いが「自分たちのアイデアで、生活を豊かにできれば」と、実用化を模索する。

 谷川さんの苦い思い出が開発の原点だ。高校時代、デートの約束に遅れそうになり急いで家を出たところ、服選びに失敗したことに気付いた。もう戻って着替える時間もない。彼女との待ち合わせ場所に向かう電車の中から「なぜこの服を選んでしまったのだろう」と後悔し一日を過ごした。「気分次第でデザインを変えられる服があったらいいのに」

 将来の起業を目指して進んだ会津大で、全国の大学生らがビジネスプランを競う「起業家甲子園」出場のプランを考えていた時、その経験を思い出した。

 服の下に小型の発光ダイオード(LED)を仕込み、スマートフォンで操作してLEDを光らせることでデザインを自由自在に変える。「エレクトロニカルクロス(電子的な服)」、略して「エレクロ」と名付けた光る服を数カ月の開発期間を経て完成させた。起業家甲子園の東北予選では優勝。しかし、予選の試作品はLEDの数が256個と少なく、思うようなデザインを表現できなかった。

 全国大会に向けて改良を進めるため柿崎愛斗さん(19)=会津大2年=ら友人に協力を依頼し、7人のチームを結成した。「スマホの操作から時間差なくデザインが変わるよう夜遅くまで改良を続けていた」。本選ではLEDの数も一気に約7倍の1760個に増やす改良を加えた。ランチ用に胸の部分をネクタイの形に光らせて気取ってみたり、デート用にちょっと悪ぶったデザインのドクロマークを表示してみたり。結果は準優勝に当たる審査員特別賞を手にした。

 完成した服はLEDを増やしてデザインのバリエーションは増えたが、電池の重量が約2キロにもなり、寝転がることも洗濯もできないものになった。それでも「アイデアを形にしたり、チームを率いたりした経験は大きい」と谷川さんは話す。光る服の実用化には課題も多いが、実は作りたい製品のアイデアはまだまだあるという。「情熱と信念を持って挑戦を続けたい」。谷川さんの夢は広がる。