アクアマリン・安部館長、6月末退任へ 後任に古川統括学芸員

 
あべ・よしたか 東京都出身。東京水産大(現東京海洋大)卒。2000年7月に開館したアクアマリンふくしまの初代館長。13年に海洋立国推進功労者表彰を受賞。

 アクアマリンふくしま(いわき市)の館長を21年務める安部義孝氏(80)が今月末で退任する。同館が7日、発表した。

 安部氏は東京都出身。東京水産大(現東京海洋大)卒。葛西臨海水族園長や上野動物園長を歴任した。2000年の開館前からアクアマリンに携わり、運営するふくしま海洋科学館理事長として施設運営も担った。「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスの研究に力を入れるなどほかの水族館と一線を画した研究・展示に取り組んできた。11年の東日本大震災で被災した同館の早期復旧に尽力、18年には日本で22年ぶりとなる第10回世界水族館会議をいわき市で開いた。

 安部氏は退任理由について後進に道を譲るためとし、「地域の皆さんや国内外の水族館関係者から支援をいただき感謝している」と話した。理事会を経て28日予定の評議員会で退任が決議され、退任後は非常勤の名誉館長として運営に協力するという。

 後任の理事長・館長には同館統括学芸員の古川健氏(58)が就く見通し。古川氏は東京都出身。東海大海洋学部卒。7月上旬予定の理事会で決定する。

 地域の顔見えた21年間

 今月末で退任するアクアマリンふくしまの安部義孝館長は7日、福島民友新聞社の取材に「地域の皆さんと顔が見え、気軽に話せる関係を目指してきた。楽しい21年間だった」と語った。

 ―就任から21年間を振り返っての感想は。
 「開館すると、期待してくれた大勢の人々が訪れてくれた。子どもから大人までが学び、楽しめる場所にできたと思う。葛西臨海水族園で園長を務めていた際、県から声を掛けてもらった。整備検討委員として計画当初から関わり全面ガラス張りにするなど、新たな発想で細部にこだわった」

 ―思い出深い出来事は。
 「東日本大震災と原発事故後の福島の姿を知ってもらうため2018年に開いた世界水族館会議だ。世界中から水族館関係者や研究者が集い、環境問題をテーマに考えを深めた。プラスチックごみの海洋汚染や世界規模の気候変動の現状について、広く発信できた」

 ―今後のアクアマリンふくしまに寄せる思いは。
 「山、川、海の好循環や、水辺の自然を再現している施設として、来館者が五感を刺激される仕掛けを用意している。自然により親しめる施設になってほしい。今後のシーラカンス研究にも期待したい。海外の研究機関とのネットワークも構築されている。関係性を活用し、将来的に生きた個体を展示できれば、生命の神秘に迫れると思う」