「伝わる情報」分析、福島県独自の風評対策12事業 6月補正案

 

 県は、東京電力福島第1原発で発生する処理水を海洋放出する政府方針を受け、的を絞った「伝わる」情報発信方法の分析や、県内報道機関と連携した「常磐もの」の魅力発信など新たな風評対策に取り組む方針を固めた。7日発表した6月県議会に提出する一般会計補正予算案に、県独自の風評対策として12事業を盛り込み、関連経費4億1242万円を計上した。国に対しても具体的な対策の早期提示を求めていく。

 「ターゲットを意識した伝わる発信」「農林水産・観光業などの生産・事業基盤の強化」「共感と共創の輪を広げる取り組み強化・人材育成」の三つの観点で具体策を示した。

 戦略的な情報発信に向けては、ウェブやSNS(会員制交流サイト)などデジタル媒体での情報発信を強化。併せてグーグルやヤフーなどが持つ「ビッグデータ」を活用、ICT(情報通信技術)分野の専門家の助言を受け、年代や性別、配信するエリア、時間帯などを分析する事業を想定している。サイトを開設したりアクセス数を確認したりするだけでなく、県産品や観光などに関する情報をより効果的に発信できるようにする。

 本県漁業の魅力発信では、県内の新聞社やテレビ局、ラジオ局と連携し、「常磐もの」などに関する記事や番組を集約した特設サイトを開設する方針。このほか、東京駅前に新設される交流拠点「常盤橋タワー」の広場一角で、8月ごろから毎月1回、本県の復興状況や魅力を伝えるイベントを開催予定。東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)などを活用し、県内の高校生が語り部となって他県の高校生と交流する事業や、浜通りの海を生かした体験ツアーなどの「ブルー・ツーリズム」にも取り組む。

 県は政府方針決定後、具体的な風評対策を早期に示すよう求めているが、政府に先んじて独自の対策を明示した。内堀雅雄知事は7日の定例の記者会見で「本質的な骨格をまず示し、それを見た上で議論した方がより議論が深まるのではないかという思いがある」と理由を説明。「われわれとしてできることを一生懸命やるが、政府も本腰を入れて速やかに示していただきたい」と改めて訴えた。