白河市、避難者のワクチン接種後回し 新型コロナ、指摘受け改善

 
大熊町が発送するワクチンの接種券などが入った封筒。写真は見本

 65歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、白河市が東京電力福島第1原発事故の避難者の予約を市民より後回しにしていたことが8日、市への取材で分かった。県は、避難者を受け入れる自治体に、住民と同様に接種が受けられるよう求めていた。市は指摘を受け、対応を改めた。市は「ワクチン接種開始当初、ワクチン配分の見通しが立たなかったことから市民を優先した」としている。

 市によると、ワクチン接種の予約を受け付ける際、市民と避難者らのそれぞれのリストに基づき対応。避難者からコールセンターに予約の連絡があった際に「避難者は後になります」などと回答し、予約を断っていた。

 高齢者のワクチン接種の対象になる65歳以上の人のうち、同市に避難しているのは238人。5日に対応を改めるまでに、市には「いつ接種できるのか」などと言った問い合わせが5件ほどあった。市の高齢者のワクチン接種は4月19日に始まっていた。

 市は避難者の予約の受け付けを既に始め、6月末から市民と避難者の接種を同時に行う予定。市の担当者によると、対象の市民、避難者は7月末までに接種が完了する見通しだという。

 白河市の担当者は「市民と避難者とを分けず、一緒に管理する必要があった。不安を持たせてしまい申し訳ない」としている。

 双葉郡自治体に複数住民が連絡

 双葉郡の各自治体によると、白河市に避難する複数の住民から「予約が後回しにされている」との連絡が各自治体に寄せられていた。双葉町によると、既に改善されているが、同市とは別な自治体でも同様の事例があったという。

 大熊町によると、県外に避難する町民について、ウェブ予約ができないシステム上のトラブルも過去にあった。原因は不明だが、避難先での接種予約などの仕組みの不備が原因とみられる。

 「除染作業員接種」自治体に負担か

 住民以外のワクチン接種を巡っては、浜通りを中心に、住民票を移していない除染作業員などの接種も課題になっている。ワクチン接種のスタッフ確保に苦心する自治体が多い中、除染作業員などの接種で、自治体への負担がさらに増えるとの懸念があるためだ。

 全国市長会長も務める立谷秀清相馬市長は「除染を管轄する環境省の責任でワクチン接種を進めるのが筋ではないか」と、国に対応を求めている。