大野小校舎を再利用、産業創出へ 大熊町が起業支援、2022年開所

 
インキュベーション施設として再利用される大野小=大熊町下野上

 大熊町は、原発事故による避難で使われていない同町下野上の大野小の校舎を再利用し、起業家やベンチャー企業などを支援・育成するための「インキュベーション施設」を整備する。産業復興に向け、若い世代を引きつけるような魅力的な企業を育成し、「大熊発」の産業創出を進める。

 町は9日開会した6月議会に施設の改築、増設などに必要な整備事業費8億1500万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を提出した。

 同校は帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)内にある。教室などがある南校舎と図書館を施設として活用し、避難指示が解除される来年春に合わせオープンさせる方針。

 町は秋にも起業家らの公募を始める。町民の思い出の詰まった校舎を取り壊さずに再利用を図り、震災、原発事故で山積する課題の解決に貢献できるような起業家らを集める考え。担当者は「小学校の外観を残し、起業から企業へと巣立てる環境を整える。起業家と町民が集える場所にしたい」としている。

 町はこのほか、町内の企業集積を図ろうと、JR大野駅周辺の用地取得を進めている。町が造成した土地に町外からの企業などを誘致し、町民や新たな移住・定住者が就業できる環境を同時に整備する。