廃業宿をシェアハウスに 楢葉で「お試し移住」環境整備へ

 

 楢葉町は本年度、町内で短期間の移住生活を体験できる「お試し移住」の環境整備を進める。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で避難した住民の帰還の動きが鈍る中、廃業した旅館をシェアハウスとして活用するなど気軽に町の雰囲気を体感できる生活空間を提供し、本格的な移住の促進につなげる。

 町が9日に開会した6月議会に移住・定住関連事業として約2億7000万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出した。シェアハウスは、今後購入の手続きを進める旅館を改修し7部屋を提供する予定。食事付きで1カ月単位か1泊単位で利用できる仕組みを整える方向で検討を進める。起業や地域の課題について学びを深めるプログラムを用意するほか、シェアハウス内に誰でも利用できる食堂とコワーキングスペースを設けて町民との交流を深める場を創出する方針。

 併せて、災害公営住宅に家具や家電、寝具などを用意し、数週間から数カ月程度滞在できる環境も整える。一部の町営住宅も改修し、3年間ほど住める賃貸住宅も用意する。町によると、町内の居住者は4099人(5月31日現在)で、避難者を含め人口に占める割合(町内居住率)は60.6%。避難指示が2015(平成27)年9月に解除されてから住民は少しずつ戻っているが、この1年間の増加数は頭打ちの状況だ。町は「新しい住民を迎え入れる取り組みを進め、活性化につなげたい」としている。