保育実習前学生、バイト自粛「つらい」 新型コロナ、感染予防

 

 新型コロナウイルス感染症の影響で、保育士や幼稚園教諭などの保育者を目指す学生が経済的に苦しい状況に置かれている。資格取得で必要となる保育所や幼稚園などでの実習が始まる前の2週間、アルバイトを自粛するよう求められているためだ。数カ月間バイトできない学生もおり、教育現場からは「実習のための自粛はやむを得ないが、行政には学生への支援を考えてほしい」との声が上がる。

 「バイトができなくてお金がなくなり、親に定期代を借りた」。福島市の桜の聖母短大2年の女子学生(20)=郡山市=は金銭面の苦しさを吐露する。

 同短大は実習先からの求めに応じ、実習開始前の2週間、学生にバイトしないよう呼び掛けている。飲食店で働く女子学生は保育士資格と幼稚園教諭免許の取得を目指し、郡山市から通学。2月に実習があったが、実習先で感染者が出て実習期間がずれ、約2カ月間バイトを休んだ。「学費以外で必要になる経費や、自分に必要なお金はバイト代で賄うと親と約束しているので、ちょっとつらい」。先月、今月と実習が続き、今もバイトの自粛を余儀なくされている。

 こども保育コースで学ぶ女子学生(19)=郡山市=は県外での就職を希望している。アパレルの現場でバイトしているが、休まざるを得ないことも多いという。「将来の1人暮らしに備えて貯金したいが、なかなかできない。奨学金の返済も始まるのに...」と不安を隠せない。

 学生へ公的支援が必要

 同短大によると、実習前、学生にPCR検査を受けるよう求められるケースもあった。このため同短大は独自に検査キットを用意し、学生に一部費用を負担してもらって検査している。山下敦子講師(51)は「子育てしやすい社会の実現のため、保育者の養成は重要。一生懸命学んでいる学生を応援してもらえればありがたい」と話し、バイトできないだけではなく、PCR検査費用を求められることもある学生への公的支援が必要だと訴える。

 県「実態把握してない」

 県子育て支援課の担当者は「実習のためのバイト自粛で学生が困窮しているという実態は、県として把握していない。新型コロナに関係なく、県内で働く保育士養成のための修学資金制度を設けている」とする。

 福島市の担当者は、保育者を目指す学生が困窮している実態は把握しているとしつつ「実習に向かう学生のPCR検査費用を公費で負担するのは難しい」との考えを示した。