ワクチン接種会場...熱中症防げ 各自治体、感染予防と両立図る

 
大型の扇風機や送風機が設置されている福島市の集団接種会場。各自治体は暑さ対策を講じながら接種のスピードアップを図っている

 7月末の完了を目指し、高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が各地で進む中、日に日に暑さが増している。集団接種会場には空調がないケースもあり、高齢者の熱中症が懸念される状況だ。各自治体は感染症対策にも気を配りながら、エアコンの導入、大型扇風機や給水所の設置などで暑さへの対応を急いでいる。

 約10万人の高齢者が対象となるいわき市。集団接種会場として屋内多目的施設「いわきグリーンベース」のほか、12日に追加された平体育館が設置されている。給水所や冷風機などはあるが、いずれもエアコンなどの空調設備はない。市は当初、グリーンベースを暑さの厳しい7月中旬からいったん休止し、9月ごろの再開を予定していたが、7月末までに高齢者の接種完了を目指すため計画を変更。休止せずに7月中に両会場にエアコンを導入することを決めた。

 さらにペースアップを図るため、14日からグリーンベースで夜間接種(午後6時30分~同8時30分)を開始。担当者は「昼間の暑さを避け、比較的涼しい夜間を利用する人も想定され、利用者の選択肢が広がった。エアコンを設置した後も会場は密閉せずに換気を続け、ワクチン接種を進めたい」としている。グリーンベースで今週末と7月中に接種予定の市内の男性(73)は「対策は取られていると思うが、心臓に軽い持病があり、暑さで影響が出ないか不安はある。自分でも水を持っていって自衛したい」と話す。

 福島市では、各地区を巡回している集団接種会場の一部に冷房設備がないため、大型扇風機や送風機を設置。12日に会場となった東部体育館では、接種ブースに複数の扇風機が設置され、水も準備された。15分から30分の経過観察はエアコンの効いた隣接建物で行っていた。接種を終えた市民は「暑さは感じず、スムーズだった」と語った。市は接種前の十分な水分の摂取などを周知している。

 郡山市の三つの集団接種会場は冷房が完備されているが、スペースが限られている会場では、予約時間前に到着した人の待機場所としてプレハブ小屋を設置。「3密」や暑さ対策に役立てられている。

 会津若松市も会場の広さに応じて大型扇風機を複数設置するほか、ペットボトルの水の配布を帰宅時から入場時に変更、待ち時間などに小まめな水分摂取を呼び掛ける。熱中症の症状が出た場合に備え、経口補水液や保冷剤も準備する。また出入り口付近にテントを設置し、必ずしも屋内で待機していなくてもいいようにしている。担当者は「屋内に人が集中し『密』になるのは避けたい。テントの下や、屋外の日陰も含め、涼しい所で待っていてもらう。臨機応変に対応していく」と話した。