感染予防したつもり注意 新型コロナ、福島市保健所「徹底を」

 

 手指の適切な消毒ができていない―。福島市保健所が、新型コロナウイルスに感染した職員のいる会社などの職場を調査した結果、不十分な感染対策の特徴が浮き彫りになった。職場を起点に感染が広がる場合も多く、市保健所は「感染症予防対策を振り返り、職場ぐるみで徹底してほしい」と呼び掛けている。

 市保健所は3~5月に職員の感染が判明した市内の職場62カ所を調査。62カ所のうち複数の感染者が確認された26カ所で、その7割が適切な手指消毒を行っていなかったことが分かった。「消毒液がアルコール濃度60%以下」「動線上に置かず使用頻度が低い」などのケースが目立った。また6割で「ドアノブやスイッチなど共有物の消毒を適切に行っていない」「マスクなしで会話しながら飲食した」「従業員の体調管理が個人任せ」などの特徴も見られた。

 62カ所のうち、24%はマスク着用が不十分で「電話時に外す」「未着用で車に複数人が同乗」「鼻を出す」といったケースがあった。

 換気に関しても「廊下側ドアのみの開放」「換気を妨げるように仕切りを設置」など、正しくできていない場合があった。せきや喉の痛みなどの症状があっても「迷惑を掛ける」といった理由で職員が出勤している職場も確認された。

 同保健所によると、3~5月の感染者270人超は20代と40代が目立ち、男性は職場から、女性は家族や親族間からの感染が多かった。また仕事や会食をきっかけに家庭内感染を招いたり、事業所でクラスター(感染者集団)が発生したりするなど、職場を起点に感染が拡大する傾向が見られた。

 杉浦真由美副所長・保健予防課長は「一人一人の感染症予防の行動が、身の回りの大切な人を守ることにつながる。職場や家庭で感染対策を見直してほしい」と呼び掛けた。

 換気30分に1回以上/消毒液濃度は60%超

 福島市保健所は調査結果を踏まえ職場内の感染対策のポイントをまとめた。

 机の上に置く仕切りは「頭の上と肩幅が隠れる」サイズで、床から1.4メートル以上が好ましい。天井から垂れ下げると換気ができなくなるという。換気は30分に1回以上、向かい合う窓を開けることが必要で片側しかない場合は常時開放する。窓は10センチ以上開けることが大事で、エアコン近くの窓を開けると冷暖房の風と一緒に外気を給気しやすくなる。

 消毒液はアルコール濃度60%以上のものを使い、出入り口やプリンター、給湯室など不特定多数が触る物の近くに配置。ドアノブや電話など共用部分の消毒も1日数回実施する。洗面所にはハンドソープを配置し、共用タオルは使わないことが重要とした。

 杉浦副所長は「『対策したつもり』の傾向がある。対策内容は家庭も同じなので、再確認してほしい」とした。

 詳細は市ホームページの「福島市保健所だより」で確認できる。