三春町役場・橋本、東京パラ代表内定 車いすラグビー、初出場

 

 日本車いすラグビー連盟は21日、東京パラリンピック代表内定12選手を発表し、県勢の橋本勝也(19)=三春町役場=が初めて選ばれた。チーム最年少の橋本は「(代表入りの)喜びを家族と地元・三春町の方々に真っ先に伝えたいと思った。選ばれたからには皆さんに恩返しできるよう頑張り、チーム目標の金メダル獲得に貢献する」とコメントした。

 橋本は田村高時代の2018(平成30)年に日本代表として世界選手権に出場、優勝を経験している。卒業後、町役場で働きながら競技に打ち込む。橋本は19年の世界選手権で連覇を逃したことに触れ「東京で雪辱するという思いでトレーニングを積んできた。悔いの残らない試合ができるようにしたい」と意気込む。

 世界ランキング3位の日本は3連覇を狙う世界1位のオーストラリア、6位のフランス、7位のデンマークと同じA組で、8月25日の初戦でフランスと対戦する。ヘッドコーチのケビン・オアー氏は「ベテランと若手の融合が強み」とチームの層の厚さを挙げ、金メダル獲得に自信をみせた。

 「故郷に勇気届ける」

 東京パラリンピック車いすラグビー日本代表に選ばれた橋本は、21日の選手発表会見に「東日本大震災から10年の節目。少しでも福島に勇気を届けられると信じ、最高のプレーをお見せできるよう頑張りたい」とコメントを寄せた。大舞台の切符を勝ち取った新鋭は、目標とする金メダル獲得に向け、闘志を燃やしている。

 橋本は生まれつき足に障害があり、車いすで生活してきた。中学時代にスポーツで活躍する友人の姿に刺激を受け、「僕も自分らしく輝いてみたい」と自分でできるスポーツを探し始めた。そこに声を掛けたのが、車いすラグビーチーム「東北ストーマーズ」の関係者だった。

 同チームコーチの三阪洋行さん(40)は、初めて橋本に会ったときの姿が忘れられない。ラグビー用の車いすに乗った橋本の顔が、新しいおもちゃを買い与えられた子どものように輝いていたからだ。

 しかし、練習になると一変。月に1~2回の全体練習で、橋本は「負けん気」を前面に出し、車いすラグビーに取り組んだ。「学習能力の高さに驚いた。同じミスはしない。日本代表に育てていかなければならない選手だと感じた」と三阪さん。負けず嫌いな性格は、体格も変えた。中学時代は「ぽっちゃり気味」だったが、自宅での筋トレなど日々の努力を重ねた結果、三阪さんが会うたびにアスリートの体になっていったという。

 田村高に進学した2018(平成30)年には、車いすラグビー世界選手権の日本代表に選ばれた。出場機会は少なかったが、世界レベルを肌で感じる経験となった。その後も、代表合宿に参加し、競技力を着実に高めていった。

 三阪さんは「巡ってきたチャンス。今後も続く競技人生に生かせるような、貴重な経験をしてほしい」とエールを送る。

 「田村高生の励み」

 橋本は今春から、三春町役場に勤務している。生涯学習課に所属し、三春交流館まほらの施設管理や市民サークル活動支援などの仕事をしている。

 橋本の後援会長も務める坂本浩之町長は「町民の願いが現実となり、大変喜んでいる。田村高の在校生にとっても、先輩の活躍は励みになる」とコメントした。