「総合南東北病院」郡山・富田へ移転 24年めど、県農業試験場跡

 

 郡山市の総合南東北病院が施設の老朽化に伴い2024年4月をめどに同市八山田から富田町への移転を計画していることが分かった。病院によると、約1.1キロ南西に離れた県農業試験場跡地約6ヘクタールを候補地に県と用地交渉を進め、感染症や広域救急、災害などへの対応機能を強化した新病院を建てる方針。今後、病院内で協議を本格化させる。

 移転を計画しているのは1981(昭和56)年12月に開業した病院と、敷地内の管理棟。新病院では病室の個室化を進めるほか、通常の患者と感染症の患者の動線を明確に分け、新型コロナウイルス以降の新たな感染症の拡大に備える。

 災害発生時に住民の避難所として活用できる機能を持たせ、救急対応機能の充実・強化も検討している。病床数は現在の461床と同規模となる見通し。移転後の跡地の利用については今後検討する。

 病院の敷地や周辺に点在する関連9施設のうち、将来的に病床数156床の南東北第2病院や医療クリニック・眼科クリニックなども移転先に集約する方針。最先端の放射線がん治療施設や研究施設などは現在の場所に残し、患者や職員の必要に応じて移転先とを結ぶバスなどを走らせる。

 病院は救急外来も受け入れる地域の中核病院の役割を担ってきたが、老朽化で数年前から現地での建て替えが検討されていた。東日本台風(台風19号)や新型コロナの感染拡大を機に病院機能の底上げが必要と判断したが、敷地に制限があることから移転を決めた。農業試験場跡地は病院に近いほか、十分な広さを確保できるという。

 郡山市は県農業試験場跡地周辺に医療機器関連産業を集積する「メディカルヒルズ郡山構想」を掲げており、病院の移転が実現すれば構想の前進が見込まれる。病院は「市や郡山医師会とも連携して県との用地交渉を進めていきたい」と説明、県は「構想を掲げる市とも連携しながら跡地の活用法を検討していく」としている。